第32回 藤沢市立高浜中学校

作文/河瀬/岡本/平林/瀬川/山田/宮本/山田/小田原
 日本船長協会技術顧問 池上 武男


講演中の池上船長
日時: 平成16年11月9日
13:30~15:30
場所: 神奈川県藤沢市立高浜高校
対象者: 高浜中学校
生徒1・2年217名
教師・関係者30名位

1.開催に至った経緯

 日本船長協会が去る6月18日に高砂・浜見小学校で「子供達に海と船を語る」講演会を実施した後、藤沢市高浜地域子ども支援会議は講演会の反省会を開いたところ、講演会の評判が非常に良く同地域の中学校でも実施して貰いたいとの要望があり、地域子ども支援会議の辻橋会長を通じて船長協会へ再度開催の要請があり協会で検討の結果、前回と同じメンバーで実施することになりました。今回は中学校側の希望として講演の中に海洋環境問題の話を加えて欲しいとのことでありました。
 講演会の準備は、船長協会伊東常務理事、地域子ども支援会議辻橋会長及び高浜中学校の間で前回の経験を踏まえて順調に運び当日講演中の池上船長の開催となりました。また、今回はこの事業を資金的に支援している日本財団から杉山恵奈さん(海洋グループ海洋安全チーム所属)が特別に参観されました。

2.当日の日程

 当日は、11時30分に船長協会森本会長、伊東常務理事、池上技術顧問(講演者)が辻橋会長と辻堂駅で落合い高浜中学校へ向かいました。到着後、制服に着替えて恒例の贈呈品を大矢次實校長に手渡し講演会場となる体育館の機材をチェックした後、校長ほか教職員、子ども支援会議辻橋会長とともに学校が用意してくれた昼食を食べながら海・船についての懇談を行い先生方からはかなり専門的な質問があり有意義な昼食を終えました。
 講演会は13時30分より渡辺透先生の司会で始まりました。大矢校長、森本会長及び辻橋会長の挨拶に続いて講演となり、子供達の質問を受けて最後に生徒を代表して浦島ももこさんのお礼の言葉(別掲)を受けて15時30分頃に講演会は無事に終了しました。

3.講演内容

 先ず、私の自己紹介を兼ねて私が船乗りを志したきっかけを話したあと協会作成のビデオ「海と船」を上演して、海運の大切さと船の運航についての実態を見て貰い、小休止を挟んで私の講演となりました。出来るだけ写真や映像を使ったパワーポイントで大画面の映像を見ながら話を進めました。


熱心に聴き入る生徒たち

 話の内容は
(1)海は私達の宝物
(2)私達の大切な海を守ろう
(3)海賊のお話
(4)私の思い出の航海

と四つに分けて我が国は長い海岸線と広い海を持ちいろいろな海の恩恵を受けているがその海の安全と環境は自分で守らなければいけないこと、そして今、国際的な問題となっている海賊事件についてアロンドラ・レインボー号事件を例として語り、最後に私の乗船経験の中で思い出に残る航海としてオーストラリア・フィンランド間の石炭輸送の話をしました。
 
 終わりに、中学生の頃に外国へ行きたいという夢を抱いて船乗りになり、大切な荷物や人を運びながらいろんな国を廻りいろんな人たちと出会って、時には自然の脅威を知り、また、素晴らしい自然に出会い、それらが全て心に残る思い出となり、この仕事を選んで本当に良かったこと、皆さんも自分の将来に大きな夢を持って一生懸命に努力して自分の夢を実現してくださいと結んで講演を終わりました。

4.子供たちの質問

 (1)一番長い航海はどのくらいですか。
 (2)航海中に死人が出たらどうするのですか。
 (3)海賊に襲われたことがありますか。
 (4)航海中に後悔したことはありますか。
 (5)外国の人とすぐに仲良くなれますか。
 (6)命がけの目にあったことはありますか。


質問に答える池上船長

  前回実施した小学校での質問では、船はどうして丸の字が名前についているのか、とか材木船で積んできた材木が海水に濡れても大丈夫なのかなどと素朴な質問であったが、中学生の質問は明らかに異なることに講演終了後に気づきました。これから自分が進むべき道を意識して船員(船長)を選択肢の一つと考えての質問であったならば、唯単に「海と船」の知識として格好良く答えるのではでなく、子供達の相談相手として現在の船員及び船舶運航の現状を踏まえてもっと丁寧に答えてやるべきだったと反省しています。

 最後に、今回の講演を実施するに当たり、高浜中学校の大矢校長をはじめ教職員の方々、藤沢市役所辻堂市民センター、ならびに地域子ども支援会議辻橋会長にお世話になり厚く御礼申し上げます。かっていく勇気が形成されていったと思うのであります。

 

お礼の言葉
 私たちはとっても海に近いところに住んでいて海には結構、関わりがあると思っています。
 今、地球には、いろいろな環境問題があります。その中でも地球の半分以上を占める海に関する問題について、私たち高浜中学生に何かできることがあれば取り組んでいきたいと思っています。今日のお話を聞いて、今後の取り組みの参考になりました。
 今日はほんとうにありあがとうございました。


藤沢市立高浜中学校浦島ももこ

 

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LastUpDate: 2024-Apr-17