第6回 岐阜県高山市立山王小学校

太洋日本汽船株式会社 盛一 勝隆

 豪州と日本を往復するチップ船EDEN MARU乗船中、いつも送られて来る月報CAPTAINを読んでいましたら、船長協会50周年の記念事業の一つとして、「船長母校へ帰る」が企画され、海事思想の普及に務めるとありました。船長協会からは、いつも貴重な資料を送って頂いており、又、私も船員生活35年となり、何か人の役に立つような事が出来ないかと思っていた時、この企画を知りました。

 自分の卒業した小学校へ行って、海上での経験を話すぐらいできるだろうと、3月5日船長協会へ澤山様をお訪ねし、お話を伺いました。既に何人かの船長が講演を終えていますとの事、そのメンバーを聞きますと菊地会長はじめ錚々たる方々ばかり、しり込みしてももう遅く、話が決まりました。

 先ず、かっての恩師が10年前母校の校長先生でしたので、この主旨を説明し、現在の校長先生への仲介の労を取っていただきました。
船長協会からの資料を基に説明致しましたら、学年主任も良く理解していただき、1組、2組、3組とも話をしていただきたいと快諾を得ました。

 5月1日に小学校で話をする事が決まり船長協会へ連絡を入れますと、講演に役立つスライドを持って菊地会長、澤山専務理事の両先輩も高山へ来られ、講演を応援して戴くことになりました。

 当日、クラスの児童の机の上には、協会からプレゼントされた船と海に関するパンフレットがあり、菊地会長の挨拶に続き、いよいよ本題に入りました。
現在の生活をしていくのに、いろいろな物を世界各国から輸入し、輸出していくなかで、船の役割が如何に大切な事か説明し、その航海に遭遇する出来事を話しました。出港準備、気象、海の美しさ、海で出逢う動物、パナマ運河、海賊、その他、話の中に澤山専務理事の差し入れるスライドが絶妙のタイミングで入り、よりいっそう話の内容が理解してもらう事が出来ました。

 講演が終わってしばらくしましたら、子供たちからの感想文が届き、船や海のいろいろなことを、分かりやすく楽しく説明してくれてありがとうございました。と書いてありました。
これだけでも、話をしてよかったなぁと思いました。

 今回の企画でいろいろな方々に助けて戴き、感謝致しますと共に御礼申し上げます。

追記:この頃、校下を歩いていますと、「あっ、船長さんや、船長さんや」と子供に言われ、テレてしまいます。


LastUpDate: 2024-Mar-25