第61回定時総会後の懇親会報告

 定時総会終了後の懇親会が、18時から弘済会館4階にて、多数の官公署、海事団体の関係者及び会員の方々のご出席のもと盛大に開催されました。 懇親会での会長挨拶及び来賓の方々のご祝辞の概要は次のとおりでした。

葛西 会長挨拶
 日本船長協会の葛西でございます。
 本日は皆様ご多忙中にもかかわらず国土交通省海事局の水島局長はじめ、多くのご来賓の方々及び会員の皆様にご参集いただきまして誠に有り難うございます。
また日頃は当会に対し何かとご協力、ご支援を賜り厚くお礼申し上げます。
 先ほどの第61回定時総会におきましては、平成30年度の事業報告・決算報告、及び平成31年度(令和元年度)の事業計画・収支予算をはじめ、すべての議案が滞りなく承認されましたことをご報告申し上げます。
 また、総会後の臨時理事会におきまして会長の私と副会長の松田が再選され、新たに副会長に元東京海洋大学教授の井上理事が就任いたしまいたので、両副会長を紹介させていただきます。
 なお国際船長協会(IFSMA)の副会長で、長年に亘り本協会の副会長を務めて頂きました赤塚元副会長には、引き続き理事として当協会の運営をサポートしていただくこととしております。 赤塚元副会長、引き続き宜しくお願い申し上げます。
 本日より新体制で引き続き皆様の期待に応えるべく、活動を進めてまいりますので、宜しくご指導を賜りますようお願い申し上げます。
 次に、本日の総会で当協会の船長表彰を受賞された川崎汽船株式会社の鍋島誠船長をご紹介いたします。 鍋島船長、どうぞ前へ。
 鍋島船長は大型LNG船の船長として、LNG ターミナルへの着桟操船中、強風のため急遽着桟が中止となる状況下で、冷静に行動し水先人との連携のもとBRMを的確に実践し、切迫した危険を回避し、港外に避難、天候回復を待って本船を安全に入港させました。
 本行為は、優れたリーダーシップを発揮して海難、その他の重大な災害の発生を未然に防止したもので、他の模範となるべき行為として高く評価され、船長表彰に至りました。おめでとうございます(拍手)。
 今後とも当協会の会員の模範として、日本商船隊の安全運航に宜しくご尽力のほどお願い申し上げます。鍋島船長どうも有難うござました。
 さて、インターネットやAIと言ったICT技術の急速な発展を見た平成から、令和の時代は、5世代通信網によりIoTのインフラが確立され自動運転や、ロボット技術の充実の時代と言われています。人口減少と超高齢化社会による労働力不足を補い、ヒューマンエラーのミニマイズによる安全性及び、生産性の向上を目的として必然的に技術革新が進んでゆくことでしょう。
 海上分野においても、自律化船、遠隔操縦船と言った自動化船が世界各国で開発されており、日本においても自動化船の実証実験が進められようとしています。 自動化船の実証実験の進捗に合わせて、船長をはじめとする船員に求められる新たな知識、資格も検討されております。
 当協会としても、自動化船のニーズを見据え、新しい時代の幕開けにふさわしい船長としての見識の涵養及び海技の研鑽を目指し、調査研究及び情報提供を進めて参りたいと考えております。
 また、外航海運業界においては、厳しい海運市況の変動にさらされる中、市況に左右されない安定収益を確保しうる体質改善に向け、海運各社も着実に事業構造改革を進めており、また、昨年事業を開始した外航コンテナ会社も漸く黒字化が伝えられ、2019年度は各社ともに安定利益が見込まれるとの報道がなされています。
 当協会も、事業活動を通じ、海上交通の安全と秩序の維持に寄与することで、我が国の国民生活と経済活動を支える海運、その他海事産業の更なる発展に微力ながら貢献してゆきたいと考えておりますので、今後とも変わらぬご支援を賜ります様お願い申し上げます
 今年度は、国際船員労務協会殿の助成をいただき「日本周辺の船舶輻輳海域における航行の安全に資する、教育用ビデオの作成」の作業を進めております。 主として日本に寄港する外国人船長、航海士の教育を目的としておりますが、日本近海の海上安全確保に有益なものとして広く利用できるものを作成したいとスタッフ一同努力しております。どうぞご期待ください。 なお、関係機関、団体の皆様にはご協力をお願いに参りますので、その節は宜しくお願い申し上げます。
 最後に、本懇親会ですが、本年は会場を新たにいたしました。どうぞごゆっくり懇談していただければと思っております。以上簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。

水嶋 国土交通省海事局長祝辞
 みなさま こんばんは。只今ご紹介にあずかりました国土交通省海事局長の水嶋です。
 本日は日本船長協会の通常総会が滞りなく終了されましたことを心よりお悦び申し上げます。
 特に、今回は役員の方の改選もあったということで、これまで日本船長協会をお導き頂きました役員の皆様に対しまして心より御礼申し上げますとともに、また、再任、新任された役員の皆様方におかれましては今後とも引き続き、また新たに日本船長協会をお導きいただきますよう宜しくお願い申し上げる次第です。
 また、本日お集まりの皆様におかれましては日頃から国の海事行政にご理解とご協力を賜りまして誠に有難うございます。
 さて、日本船長協会ですけど、昭和25年設立以来69年間の長きにわたり、船長の職務に関連する諸問題の調査研究等を通じ、我が国の海運の発展の礎となってこられたと承っております。 例えば、最近におきましても会員の方々によります講演事業『船長子供達に海と船を語る』事業をやっていただいていますが、これは平成12年から継続的に実施されていると聞いています。これまでに延べ210校の小中学校等で講演され、聴講された児童、生徒が27,000人にも達していると伺っています。
 経験豊かな船長が学校を訪れて、船上のプロとして、また人生の先輩としてご自身の体験談をもとに海や船に関する講話をされるということは、子供達にとって大変貴重な機会であると拝察する次第です。 子供達に海、船の魅力や重要性などについて認識を深めてもらう、もって海運を支える将来の人材の確保育成にも繋がるものではないかと考える次第です。 皆様のご尽力に対し改めて感謝を申し上げます。
 さて、私ども海事局もシーマンの皆さんに大変助けられております。海事局自身にもシーマンの資格を持った職員が沢山働いていますが、日々の海事行政の中でも日本船長協会の皆さんに大変助けていただいているところです。
 船舶の運航に対する豊富な知識と経験をお持ちの皆様にお力をお借りしている幾つかの例がございます。 先程、葛西会長からも話がありましたが、自動運航船への関心が世界的に高まっている中で、私どもの交通政策審議会海事分科会海事イノベーション部会というところで、2025年までの実用化に向けたロードマップを発表させていただいています。特に大型船につきましては、自動運航船安全検討ワーキンググループにおきまして規制、制度面の検討を進めているところです。このワーキンググループには日本船長協会の葛西会長にも委員にご就任いただいており、様々なご指導をいただいているところです。 国土交通省としても、引き続き海上安全の向上、運航効率の改善、船上の労働環境改善に大きく寄与する自動運航船の実用化に向け、引き続き取り組んでいきたいと思っておりますので、今後ともご協力お願いする次第です。
 また、少し残念な話ですが、昨年は飲酒に起因する事故が各輸送モードで起きてしまいました。
 現在、海運分野における飲酒対策の検討会を開催させていただいていますが、こちらの方にも葛西会長に委員として加わっていただいて、運航実務の観点から様々なご見識、知恵を拝借しているところです。
 さて船長協会が取り組みをいただいています海事分野の振興を図っていくことにつきましては、私ども海事局も思いが同じであります。 7月になりますと「海の月間」において、今年は清水港が開港120年を迎え、静岡市で「海フェスタ」が開催されるほか、全国各地で様々なマリンイベントが予定されています。 官民挙げてイベントを盛り上げ、一人でも多くの一般市民の方々に海事分野に感心を持っていただきたいと思います。 また私ども海事局ではバッジをつけていますけど、海の世界はどうしても放っておくとbusiness to business(B to B)になってしまう。 一般の方に海のことが浸透していかないもどかしさがあり、私どもはこれを『C to Sea』だと、CはCitizenであったりCultureであったChildren等であったりと、広く一般の人に海のことをもっと知っていただこうと広報活動を行っているところであります。 最近ではポータルサイト「海ココ」、或いは若者達に関心をもってもらうためにAKBグループの「STU48」とコラボレーションして情報発信をしたりとか、或いは皆様のような船員をはじめ海事産業の方々の話をまとめた「海の仕事ガイドブック」を作成しました。デザインや読みやすさを工夫して、全国の公立中学校約10,000校すべてに冊子を配布することを予定しており、学生や保護者に向けて海事産業の魅力を発信していきたいと考えております。
 日本船長協会の取り組みと私どものこういった取り組みが一体となって、相まって効果を上げて将来の若者から船長さんや機関長さんを目指す人材が出てくることを強く期待するところです。
 最後になり若干個人的な話になりますが、私自身この日本船長協会の皆様にご指導いただき育てていただきました。 私は海技免状を持っていませんが、船員手帳をもっていた時期があります。1987年の夏に、当時の航海訓練所の先代の青雲丸に乗船し遠洋航海に行かしていただきました。 その時の一等航海士が矢吹東京海洋大学名誉教授でありまして、大変ご指導いただきました。 また、海上保安庁からも奥島海上保安監がお見になっておられますが、奥島さんは当時私の隣りに座ってみえました。 私は陸上勤務で白い靴を持っておりませんでしたが、奥島さんとたまたま靴のサイズが一緒でして(笑い)、白い靴をお借りし2カ月間船に乗って、矢吹一等航海士のご指導をいただくことがありました。 また、30年程前に私がロンドンでトレーニ-をやっていた時、本日まで日本船長協会の副会長を務められた赤塚さんが当時の船主協会ロンドン事務所長をされており、海事に関する様々な知識、或いは国際的なやりとり等を毎日1年間ご指導をいただきました。
 そのようなことから、私は個人的に「Captain」の皆様に心より敬意と尊敬を持っている一人であります。
 かつて、40年50年前に、日本の人気アニメで「秘密のアッコちゃん」がありましたが、秘密のアッコちゃんのお父様の職業は何だったか皆さん覚えておられますか? 第一シリーズのお父様は船長でした。 第二シリーズになるとこれがパイロットになったり、第三シリーズになるとニュースキャスター等色々な説がありますが、、、船長さんが日本の憧れの職業であったということです。
 最近では、海賊の問題がありまして「キャプテン・フイリップス」という映画がありまして、映画だけではなくご本人がお書きになった「キャプテンの責務」という原作の本がありまして、私自身海事局の職員には、必ずこの本を読むように、少しでも海上労働の船長さんたちの勤務実態に理解を深めるようにお願いをしているところです。
 海事人材の育成が重要な課題とされる中、豊富な経験と知識をお持ちの日本船長協会の皆様には、これからも海運界の人材育成にリードしていただくともに、海事行政にも引き続きご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
 日本船長協会の今後のますますのご発展と本日のお集りの方々のご健勝を心より祈念いたしまして私の挨拶とさせていただきます。
 本日は誠におめでとうございます。

井手 日本船舶機関士協会会長 祝辞・乾杯
 只今ご紹介をいただきました日本船舶機関士協会の井手です。
 一言乾杯のご挨拶を述べさせていただきます。
 先ずは第61回の定時総会が無事に終えられたことお悦び申し上げます。おめでとうございます。
 また、新たに役員の方が三分の一近く交代があったとお伺いいたしました。これからも宜しくお願い致します。
 皆様お待ちかねだと思いますので、早速、乾杯に移らせていただきます。
 それでは本日お集まりいただいた皆様のご健勝と、全世界を走っています船長、航海士、本船乗組員の方々の安全運航を祈念しまして乾杯致したいと思います。「乾杯」


LastUpDate: 2019-Nov-08