第16回 福岡教育大学附属小倉小学校

 関門水先区水先人 緒方 羊二

 昨年、当時の菊地船長協会会長から、船長協会で『船長母校に帰る』という講演企画を行っているが、私の出身小学校で、趣旨に沿って講演をしないかとの相談がありました。
 私の出身小学校は北九州市(旧小倉市)にあり、市は関門港と云う重要港湾を抱えています。幼い昔の記憶をたどって見ますと、小学校時代に港について何か教えて貰ったと云う記憶がありません。思い出すのは小学生唱歌『港』、海水浴、潮干狩り位のものです。常々、港湾の重要性について、小学生にも知って貰いたいという考えを持って居りました。幸、私が関門港の水先人をしていますので、港やパイロットの話を私がすると云うことで、菊地会長と相談、菊地会長が船長としての経験談等を話して戴くと云うことで、講演をすることに決まりました。

 出身小学校の蒲原教頭を尋ね、船長協会の『船長母校に帰る』講演の趣旨を説明しましたところ、学外の講演は歓迎します、ただ学校としては教育大学の教授会に図らなければなりませんが、多分問題ないと思いますとのことでした。後日、蒲原教頭より、講演については了承、時日は平成13年6月もしくは平成14年1月のいずれか、対象学年は5年、6年の4学級160名、講演時間は14時から15時45分とのことでした。菊地会長と相談の上、平成14年1月に講演をすることに決めました。

 平成13年5月、菊地船長協会会長は澤山会長に交替され、技術顧問につかれた。小学校の方も、蒲原教頭が教育委員に転出され、講演の件は高橋副校長に引き継がれました。 平成14年1月、澤山会長が北九州に来られたとき最終打ち合わせを行いました。
 平成14年1月29日13時、菊地顧問とご一緒に母校福岡教育大学附属小倉小学校を訪問、挨拶、講演の準備を行い、14時より5、6年生を対象に講演を行いました。
 母校のたたずまい、匂い、若々しい小学生の息吹に接しますと、身体の中に言い知れぬ懐かしい感慨が湧きだし、何か母親の懐に抱かれているような、原始的な気持ちに襲われました。

 講演は、私が関門港の海図や衛星写真のスライドを写して、港やパイロットについて話をし、菊地顧問が経験談として、航海、パナマ運河、船長の仕事、船の役目等をスライドを使って話をしました。生徒は皆熱心に聞いて居り、講演は無事終了しました。

 後日、生徒の感想文が送られてきまして、今迄、興味が無かった海や船、港について、興味を持ったとの感想が多数ありました。船に対して興味を持って貰ったことで、この講演は充分意義のあるものであったと、考えています。講演を聞いた生徒の中で、将来、今回の講演を思い出して、一人でも二人でも、海上流通産業の為に、役に立つ仕事をしてくれれば、望外の幸せです。
 最後に、今回の講演の準備、実施に、ご協力を賜りました関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

LastUpDate: 2024-Apr-25