第298回 山形県南陽市立赤湯中学校
第299回 山形県南陽市立沖郷中学校
第300回 山形県南陽市立宮内中学校

(一社)日本船長協会事務局 

1.開催日時

 令和4 年8 月25日(木)
  13:25~14:50、15:00~15:40

2.紹介

 今回は、山形県南陽市教育委員会、国土交通省東北運輸局及び(公財)日本海事広報協会の共催による海洋キャリア教育セミナー「海の仕事へのパスポート」に参加し、同市内の赤湯中学校、沖郷中学校そして宮内中学校の生徒を対象に講演しました。
 本セミナーは2017年から開始され毎年継続開催されてきましたが、途中新型コロナ感染症の蔓延に伴う休止を挟んで、全体開催としては2019年以来の開催となりました。
 山形県の南部、米沢盆地の北東部に位置し、人口3 万2 千人の南陽市は、北に丘陵、南に沃野が広がる比較的温和な気候の土地柄で、「中国 南陽」と地勢、風土が似ていることからその名が付けられたそうです。 また、外航船が入る県内最寄の港としては、山形県唯一の国際貿易港である酒田港がありますが、車で2 時間はかかるそうで、海や船に接する機会の少ない生徒たちのみならず、先生方からも好評となり、同教育セミナーが継続されることとなったそうです。
 会場の南陽市文化会館は地元産の杉材を加工した集成材を使用し、メインホールは世界最大の木造コンサートホールとしてギネス記録に認定されています。



3. 講演内容

 本教育セミナーは、普段海に接する機会が無い同市の生徒達の世界観を広げるため、及び海にかかわる仕事や海洋の重要性について理解を深めてもらうため、船員、海上保安官や港湾の仕事、造船や深海調査などの各分野の専門家が講師となり、三校の生徒252名がそれぞれの興味のあるテーマを2 つ選んで講話を聞く形式で行われました。
 船長講話においては、2 回の講演で計80名 の中学2 年生が聴講しました。
 それぞれの講演は約40分で、パワーポイントやビデオ映像を使用して主に以下のような話をしました。
・日本の海と船による物資輸送、海運について
・酒田港に寄港する石炭専用船やコンテナ船の特徴
・世界のいろいろな港や航路、パナマ運河、スエズ運河について
・船員・船長の仕事や生活、経験談、船員になるには など

4.講演者雑感

 講演前にアンケートが実施され、その中では、「出港できるかどうかの判断はどう決めているのか」「映画などにある船の難破は現実でも有るのですか」「船に何かあったらどうやって対処するのか」など内陸の海とは離れた土地柄故か、具体的にイメージは出来ないものの、未知なる物への興味は強いと感じられました。
 彼等の中からも、海の仕事へのパスポートを手にし、将来、大海原へ乗り出す若者が出てくることを期待したいと思います。

(常務理事 長田 泰英 記) 


 


LastUpDate: 2024-May-02