第382回 東海大学海洋学部清水キャンパス

(一社)日本船長協会事務局 

 

1.開催日時

2024年10月9 日(水)15:10〜16:50

2.学校紹介

 海洋学部のある静岡県の清水キャンパスは、校舎のすぐ裏には駿河湾が控え、名勝、三保の松原がすぐそばにある風光明媚な場所にあります。学生たちは富士山や駿河湾を日々眺めながら勉強・スポーツに打ち込むことができ、都会のキャンパスとはまた違った魅力を持っています。大学は自前の海洋調査研修船「望星丸」を所有し、調査・観測のほか、学園全体として海外研修航海を実施したり、海洋思想の普及活動などを行っています。航海科の学生は、いわゆる練習船として「望星丸」で実習し、卒業時には三級海技士(航海)の筆記試験が免除されます。


3 .講演会(授業)概要

 東海大では2 年生を対象に、海運社会の現場で働く様々な分野の現役の方々から話を聞いて幅広い知識を得るという目的で「船舶運航概論」という授業を全14回で行っています。その1 つの「航海士の仕事」という授業の依頼が日本船長協会にあり、同校OB である弊職にお声がけをいただき、「船長、母校へ帰る」を兼ねて実施する運びとなりました。弊職には荷が重い気も致しましたが、母校や船長協会に少しでもお役に立てるのであればと思い、お引き受けした次第です。
 2 年生はまだ乗船実習も始まっておらず、将来の進路についてもまだはっきりと定まっていない学生も多く、航海士の仕事内容、船上生活、必要な能力などについて、自身の30年間の勤務経験を踏まえてお話しました。Q&A コーナーでは率直な質問が多数あり、現場の人間から直接聞ける折角の機会と思い、全てに回答しました(少々時間オーバーしてしまい、反省)。
 乗船中に短い動画(トライエンジンの船橋の様子、操練、朝の体操)を作成していたので紹介しましたが、船内の様子や3 /O の行動などが多少は垣間見えたかもしれません。


4 .所感

 母校を訪れるのは卒業以来でしたので30年ぶりでした。清水の町や校舎も多少変わっていましたが、昔の面影は多々残っており、大変懐かしく思いました。僭越な言い方ですが、船長になりたいと思って卒業し、こうして戻ってこられたことが感慨深く、当時の先生方、会社の先輩方を含め、周囲のみなさんに感謝の気持ちを新たにする一日となりました。
 講義時間は100分で、人前でこれほど長い時間を話し続けたことはなかったので、うまくできるか緊張や不安はありましたが、何とか無事に終了し、自分自身の良い経験にもなりました。と同時に、授業や講演が如何に大変か身をもって感じました。授業に出席した学生たちが近い将来、日本の海運社会で活躍してくれたら嬉しく思います。未来への希望を持った後輩たちを前にして身が引き締まりましたし、自分も襟を正し、今後も自己研鑽に努めていこうと思いました。最後に、実施にあたりご親切にサポートをいただきました日本船長協会の皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

(商船三井オーシャンエキスパート(株)船長 五社 督康 記)

感想文

生徒達の作文/

 


LastUpDate: 2025-Mar-10