(社)日本船長協会 技術顧問 池上 武男 | |||||||||||||||||||
1.開催に至った経緯当中学校では、総合的な学習の時間を非常に重要なものと位置づけ、研究主任の杉村朗先生は、日本教育新聞に掲載された(社)日本船長協会の「子供たちに海と船を語る」記事を読んで、この企画は総合的な学習の時間にぴったりであると思い、早速協会の原田船長に連絡があった。 総合的な学習の時間では、3年生に対して「キャリア学習」、2年生に対しては「生き方探求」という単元の中で外部からの講師を招いて講話を聞くことにより、職業についての理解を深め、夢や希望をもって生きることの大切さを学ぶというものである。当中学校にはOB 船長が居ないために協会が直接実施することとした。 講演会は、平成18年11月22日(水)の5、6時限に実施することになった。例年のこの時期の京都は紅葉が全盛で観光客で賑わうのであるが、今年は暖冬の影響でなかなか紅葉が山から降りてこないという。当日は、早朝の新幹線で京都へ向かい昼前に学校に到着した。
2.講演会対象者は、2,3年生9クラスの326名と関係者17名合計約350名であった。
今回の講演内容については、学校の総合学習の目的に沿った内容で、仕事の内容、何故この仕事を選んだのか、苦しかったことは、仕事に対する信念、忘れられない体験や人との出会い、中学生のころに考えていたこと、及び中学生に伝えたいメッセージなどを盛り込んで欲しいとの要望に沿って、私が船員になった理由、日本の海は広くて大きい、私たちの大切な海を守ろう、海賊の話そして最後に、体験談として印象に残った航海の話をして、皆さんも大きな夢を持って頑張ってくださいと結んで講演を終了した。 その後は、生徒会の進行により、質問と応答、生徒代表のお礼の言葉、船長協会からの記念品の贈呈があり、無事講演会は終了した。 3.むすび
今回の講演会は、学校側の総合学習時間ということで、特別な注文があり、出来るだけ要望に沿った内容を盛り込んで話した。特に印象に残ったことは、担当の杉村朗先生による子供たちへの今後の進路、将来の人生設定といった重要なテーマに対する熱意には頭が下がる思いがした。このような先生の指導を受ける子供たちは幸せであると思いながら学校を辞した。
生徒からの質問
生徒代表武市健哉君のお礼の言葉日本船長協会の方々、今日はぼく達のためにこのような学習の機会をつくっていただきありがとうございました。池上船長には、「船にたずさわるしごと」について、いろいろな角度からお話しをしていただき、ありがとうございました。 私たちの毎日の生活が、いかに「船による輸送」によって支えられているかを、あらためて知りました。私たちが暮らしている京都市は、周りを山で囲まれている盆地なので、ふだん大きな船を見る機会はありません。だからDVD の映像や、お話しされた内容から「海のこと」や「船のこと」に関するイメージがふくらみ、船の仕事や、その輸送の任務にあたられている船長さんの、仕事に対する熱い思いを学ばせていただきました。 今日、船長さんから聞かせていただいたことを大切に、2年生は1月の職業体験に向けて、3年生はこれからの進路へ向けて、また、2・3年生とも、将来の自己実現へ向けて、がんばっていきたいと思います。今日は、遠くから山科中学校へ来ていただき、有難うございました。
|
|||||||||||||||||||
生徒達の作文 |