第63回 長崎県新五島町県立上五町高校

(独)航海訓練所 船長 八田 一郎

1.開催に至った経緯等

平成20年10月11日、長崎県新上五島町県立上五島高校におきまして、

講演の機会を頂きました。当地におきましては、昨年、

「東シナ海に浮かぶ五島列島の中の新上五島町には国家石油備蓄基地があり、

大型タンカーの出入りがあるにもかかわらず、島の子供達やその親達にとっては

海運界に対する認識が薄いという観点から、島の子供達に船や海運事情をより

身近に感じてもらえるような海事思想の普及を図り、島の子供達の

進路指導にも役立てたい」との主旨で、海洋会長崎支部

(今村正吾支部長)が開催を計画し、日本船長協会や航海訓練所にも協力を

呼び掛けて、小中高校生及び一般町民を対象に船長講演会

(池上船長協会技術顧問による)が実現し、たいへん好評でした。

(昨年は、船長協会の森本会長と寄港中の銀河丸国枝船長も挨拶をされました)

今年は、海事思想の普及活動の一環として、島の子供達だけでなく地元県立高校の

進路指導を担当する先生方も対象に船長講演会が企画され、実施されました。

2.講演会

講演会には、上五島高校1年生・2年生・教諭合わせて約350名が参加しました。

また、来賓席には、新上五島町教育委員会の道津利明教育長、海洋会長崎支部の

今村正吾理事兼支部長と坪井英彦副支部長、現地でこの計画を推進してきた

故古川伸一氏(今年7月逝去)の後任である岡本健之介氏、たまたまお忍びで

来島中の古川夫人とお嬢様が着席されていました。小生のプロフィールをご紹介

頂いた後、テーマを「船乗りになる」としまして、次のような内容で講演を行いました。

① 海運の種類と大切さ

② 海運業界が抱えている深刻な問題…日本人船員の不足について

③ DVD「海と船」(日本船長協会作製)上映

④ 船内組織の説明

⑤ 航海中の1日の(当直)スケジュール

⑥ 年間の休暇と乗船期間

⑦ 小生が船乗りになりたいと思った理由(きっかけ)

⑧ 船舶職員になる方法…海上技術教育訓練機関の紹介(高卒者の進学情報)

⑨ DVD「練習船青雲丸の訓練風景」(独立行政法人航海訓練所作製)上映

講演後、生徒代表から御礼の言葉を受け、花束を受け取って講演会を終了しました。

講演会と並行して青雲丸の一般公開を2日間実施しましたが、講演を聴いた後、

船橋に興味を示して船内を1周した後、見学者の列の最後尾に並び直して

2周する生徒がいたり、講演を聴いた生徒のご父兄の中には「自分も講演を

聴きたかった」と話してくれたりして、まずまずの手応えを感じました。

講演中の八田船長 上五島高校の生徒の皆さん
お礼の言葉を述べる生徒代表 花束贈呈

3.むすび

今回も、昨年と同様、井上俊昭町長を初めとする町役場の職員の皆様、

宮内博己校長を初めとする上五島高校の教職員の皆様、今村正吾長崎支部長を

初めとする海洋会長崎支部の方々、三刀英世取締役兼事業所長を初めとする

上五島石油備蓄株式会社上五島事業所の社員の皆様及び廣瀬正和社長を

初めとする上五島総合サービス会社の皆様、地元関係者の方々の温かい

ご支援により無事に実施できたことに感謝申し上げます。特に、今年7月、

この講演会実現(練習船青雲丸寄港)のために、現地でたいへんご尽力を頂いた

海洋会長崎支部の古川伸一氏(元日本郵船船長)が志半ばにしてご逝去されましたが、

古川船長のお人柄によって築き上げられた地元の方々との強い信頼関係なくしては

実現できなかったことをご紹介しておきたいと思いました。故人のご冥福をお祈りします。


LastUpDate: 2020-Aug-10