第232回 東京都杉並区西荻窪地域区民センター

日本船長協会 顧問 小島 茂 

東京都杉並区西荻窪地域区民センター

 

 

『めったに聞けない船長の話』

1.開催日時

 令和元年11月24日(日)10:00~11:40

2.開催場所

 西荻窪 南区民集会所
(杉並区西荻窪地域区民センター協議会)

3. 開催への経緯

 8 月中旬、上記地域ボランティアの協議会役員を務めている高校の同級生から「海と船」の話をして欲しいとの連絡を受けた。同協議会では、いろいろな業界の人をよんで、年3~4 回講演会を開催しているとのこと。
 当協会では、「子供達に海と船を語る」の一環として講演を引き受けることになりました。
 地域広報誌『なかま』、杉並区報『すぎなみ』にて、60人の募集をしたところ、小学生4 人、中学生1 人、高校生1 人に加え、大人は55人、関係者が6 人で満席になりました。

4.講演内容

長田常務理事( 1 時間、途中10分休憩)
 自己紹介のあと、パワーポイントとビデオ映像を使用しての説明に入った。
・世界の貿易量、日本の輸出入、コンビニエンスストアの棚から外国からの原材料で出来ているものを除いていくと、お米とあと少しのものしか残らないこと。(大人も驚く)。
・外航船の種類、特徴。航海計器、エンジン関係、通信手段。メール。
・世界の港、航路、スエズ運河、パナマ運河について。北極海。
・海運業と役割。環境問題。
・船員、船長の仕事。船内生活、休暇制度、船員になるには。経験談、など。
 長田船長の具体的かつ丁寧な説明に大人からも、子供からも、都度、ホーという声が聞こえていた。
小島 顧問
 自己紹介のあと、最初に子供達に難しいクイズを出しました。
「家の体重計しかないとき、象の重さを測る方法は?」
 答えは、「川か池で、船の真ん中に象を乗せます。船がズーと沈んだ水面のところに、船にマークを書きます。次に船から象を降し、今度は石をどんどん積んでいきます。マークのところへきたら、積むのを止めます。そして、石をひとつずつ船から揚げて、体重計で重さを測ります。合計すると、象の重さが分かるわけです」。「石炭や鉱石を積むときは、最初と最後に同じようにして、目印(喫水の数字)を読んで、図表から、何トン積んだかを計算するのです。今はコンピュータで計算します」。
 高校生はなるほどと、うなずいてくれた。
・怖かったこと
 最初の船のアフリカ航路で、夢を見ました。コンゴ川をどんどん上って、浅いところも平気で進む夢でした。夢の話を船長にすると、「航海士はみんな同じような夢を見るのだよ、それで一人前になっていくのだ」と言われたのを覚えています。台湾の沖で、台風の進路を読み誤って、船が台風に近づき、大しけに遭いました。こっそりと船橋にある金毘羅さんを、拝みました。冬の北太平洋、大西洋も時化ます。
・面白かったこと
 港で上陸して、街の見物、お土産を買う、食事。友達ができる。陸上勤務でも、いろいろな仕事をして、つらいことも有りましたが、楽しかった。アメリカでの駐在、フィリピンの駐在も経験しました。退職後、トルコ、スペイン、中央ヨーロッパに行きました。今は昔行ったことのあるいろいろな国の歴史の本を読んでいます。面白いです。

5.質疑応答

・船員の職業を選んだ理由は。
・海賊に遭った経験はありますか。
・カリブ海の魔の海域はどうですか。
・外国人クルーとの言葉、何語ですか。習慣の違いは。
・英語はどの程度出来ないといけませんか。
返答)経験から、日本語でも同じで、友達、仕事でも、言葉を丁寧にゆっくりと。必ず、確認をすること。コンファメーションが大切です。「あなたの言いたいことは、こうゆうことですね。間違いないですね」。「はい、そうです」。段々、語彙も増え、努力も必要ですが、上手になっていきます。相手の国の情勢、歴史も勉強していくと良いと思います。民間のテストは、経験と共にスコアーは上がっていきます。
・海難事故はどうして起こるのですか。
 返答)海上の航海ルールをしっかり守ること。航海計器も、通信機器も発達しています、でも、人間の目で見て、耳で聞いて、身体で感じることも大切です。みんな、真剣に聞いてくれた。子供達も、我々に合わせてくれたようだ。

6.参加者アンケートより

(子供)
・船内のくらしがよくわかった。
・船内の様子がわかった。
・船乗りに意外に休みがあったことがわかった。
・船についてのたくさんのことが分かってよかった。
・船長さんの困った話が面白かった。
(大人)
・新鮮な楽しいお話でした。有難うございました。(多数)
・息子に勧めたい道だと思いました。
・先ずは3 人の子供にこの話を聞かせたかった。世の中を見る目、生活環境についての視野を拡げよう、自分にも。新聞の記事の読み方も、より深くを、自分に。
・頂いた資料を十分に活用したい。
・色々な体験を聞き素晴らしい仕事だと感じた。
・初めて聞く話ばかりで興味深く伺う講座でした。
・仕事も貿易関係なので興味深かったです。
・気付かなかった船の存在の大きさが認識できました。
・もっと若いときに仕事選びに生かしたかった。
・女の人ものっているのですね。
・世の中色々な業種で人手不足の現在、昔から他の国の人と働くのが常識の船乗り、ダイバーシティの世界、英語共通が今後必要なやり方だと、学ぶべきことと思いました。

7.感想

 今回の講座を終えて、父母や、お爺さん、お婆さんにアプローチするのも広報活動に効果的かなと思った。
 終わって、ドアのところで、参加者にお礼を言うと、多くの方から「知らないことばかり、大変勉強になりました。有難うございました。」と返ってきた。


 


LastUpDate: 2020-Dec-08