IFSMA便り NO.73

世界海事大学報告書
~WMU:船員労働時間の過小申告に関する調査報告書~

(一社)日本船長協会 理事 赤塚 宏一

 

はじめに

 11月11日に公益社団法人 日本海難防止協会 欧州・中東・アフリカ地区代表・神戸大学海事科学部客員教授である長谷部正道氏より世界海事大学(以後WMU)より、すごい報告書がでたとのことで、その要約を送って戴いた。この要約はその後LROニュースとして、本誌にも掲載されている(p .77)が、以下のとおりである。 これを読めば、あらためてWMUの報告書を紹介する迄も無いように思われるが、元船乗りとしての視点から紹介するのも意味があるのではないかと思い、敢えて書くこととした。

 標記報告書の調査結果の概要は以下のとおり。
①船員の労働時間に関する不正記録の慣行は広く蔓延している。
②船員の労働時間の規制に関する既存の国際的な規則が、船員の過労問題について有効に対処できていないと広範な関係者から批判が上がった。
③安全な船舶の運航に必要な船員数を定めるIMO の決議A.1047(27)がほとんど遵守されておらず、旗国も旗国としての船員の労働時間の記録にとどまらず、計画的な保守管理・訓練・給油記録簿や航海日誌の書き換えまで実施されている。
⑥船員がこうした不正行為に手を染める背景としては、陸上管理部門からのペナルティーの付与や解雇を恐れ、第3 者機関による検査が不合格となることを恐れるとともに、ボーナスや残業手当などの金銭的な動機や、船員の主要な業務実績基準をクリアすることなどが動機となっている。


1.世界海事大学報告書

 この世界海事大学報告書(以後 「報告書」)の核は、労働/休息時間を船員が正確に記載することにより、実態を把握する。それを基に船員の疲労を軽減し、過労をなくし、労働環境の向上を図り、船員の福祉・健康を増進し、ひいては船舶の安全・海洋環境の保護に繋げようとする国際規則の趣旨が船員自身の手による労働/休息時間報告書の過小(調整)報告により所期の成果を挙げていない事実を明らかにした。 そしてその原因、背後の要因を洗い出したといえるであろう。
 「報告書」を発表したWMUの学長であるDr Cleopatra Doumbia-Henry は『良く知られているように疲労は船員にとって健康と福祉に負のインパクトを与えるのみならず海難事故の危険性を増加させる』と警告している。

 この大部の「報告書」を読んで、筆者が感じ、そして強調しておきたいことは労働/休息時間記録簿が正確に記載されていない、或いは“adjust”(調整)されているという一見単なるペーパーワークが、実は重要な意味を持っており、船内労働の実態を不透明にし、陸上と海上のコミュニケーションを阻害し、必要な見直しや改善を阻害し、船員の安全や健康維持に支障を来し、ひいては重大海難事故や大規模海洋汚染の遠因になる可能性のあることを認識させた事である。
この「報告書」について最初に紹介・論評し たのは“Maritime Logistics professional”、“gcaptain” などの電子媒体による情報ウェブである。電子媒体である身軽さだろう。 Lloyd’s List は11月11日、11月24日、そして11月27日と3 回にわたり報道した。これは後ほど紹介することにして、まず11月19日付の業界紙 “T r a d e W i n d s” を紹介したい。 “Trade Wind” は“Crew-change crisis propels seafarer fatigue to next level”(乗組員交代危機は船員の疲労を更なる段階へと押し上げる) と題して、コロナ禍にともない乗組員の交代が極めて困難となり船員の健康・福祉上にもたらしている危機についてあらためて考察するのだが、この「報告書」とロイズ・レジスターが英国船主協会、“The Mission to Seafarers” 及び “Safety at Sea”と共同して調査した報告書を引用して問題の大きさを強調している。
 乗組員交代危機にともなう船員の問題については、本誌前号で触れたので、今回はあまり触れないが、このコロナ禍により営々と続けられて来た船員の労働環境を改善する努力は振り出しに戻るのみならず、かつて経験したことの無いような苦難を船員に強いていることが指摘されている。
 Lloyd’s List” の記事は「報告書」そのものを読み込んだもので内容が充実していると思 われる。特に11月27日付の記事は “Seafarers grow tired of being undervalued” と題してこの「報告書」の訴える危機感をコンパクトにまとめている。
 “Lloyd’s List はまずこの海運界に批判的な「報告書」は慢性的に過小乗組員数である船舶において、労働/休息時間記録簿を過小申告することは極めて普遍的であるとしたうえで、IMOの最小限配乗水準に関する規則は殆ど無視され、また船舶検査官も滅多に記録簿の記載の正確さをチェックしないこと、そして旗国は規則に適合させることに失敗している、と紹介している。そして「報告書」の著者の一人であるD r B a u m l e r にインタヴューをして、著者達は問題のあることは予想していたが『しかし、問題の深刻さは本当にショッキングで、しかもそれが関係者に受け入れられていることが大きな驚きだった』との発言と海上の安全に対する深い憂慮を紹介している。
 慢性的に人員不足である本船で労働/休息時間を過小報告するとは一見矛盾した行為に思えるが、その実態を次に示したい。


2.報告書の概要

 「報告書」の正式名は“A c u l t u r e o f adjustment, evaluating the implementation of the current maritime regulatory frame work on rest and work hours( EVREST).” 「調整する文化 ― 休息と労働時間に関す る現今の海事法制の枠組みの検証」
 https://commons.wmu.se/cgi/viewcontent.cgi?article=1079&context=lib_reportsと呼ばれ、WMUのDr./Capt. RaphaelBaumler 以下4 人のいずれも海上勤務経験のある4 人の研究員により調査・報告されたもので、ITF のSeafarers’ Trust から研究費を得ている。「報告書」そのものは128ぺージからなる大部である。 通読するのは大変であったが、読み始めると結構面白い。 この調査は関係者にアンケートを配布しこれを回収して統計処理するものではなく、インタヴューと関係者の小グループによるデスカッションによるもので、本文はこうした関係者の言葉を引用したものが中心である。
 インタヴューの方法として“phenomenological interview” とか“semi-structured interview”などという術語が出てきて分りにくいが、前者は「現象学の方法論に基づいたインタヴュー」というくらいの感じであろうか、現象学自体は「事物の本質そのものを問うのでなく、それがわれわれの経験にとって現われてくる状態を扱う学問」という説明もあり、何となく分ったような気がしないでもない。 また後者は「ある程度あらかじめ考えられた質問群を実際に訊く時にフレキシブルに変えていくような仕方のinterview」という説明を見つけたが、社会科学上は正確な定義もあると思うがここでは深入りしない。  またインタヴューに当たっては使用する用語にも格別の注意を払った。これはforge(捏造)、falsify(不正)、 fabricate(でっち上げ)などの言語を使用する事によって船員に不正を働いているという心理的なストレスを与えないように“adjust” (調整)という中立的な言葉を使用している。
 調査に参加したのは、船員側は船長 7 名、機関長 2 名、一航士 4 名、二航士 4 名、三航士 3 名、三機士 1 名、計21名である。 そして、船主団体、海運業界団体、海運関連NGO、政府関連団体、国際専門機関、ポート・ステート・コントロール・オフィサー、ITFインスペクターなど約80人が参加し、総勢100人ほどである。
 「報告書」は序説や結論、勧告、参考資料等の項目を含め、10章からなっている。「報告書」の核心部分を筆者なりの理解や注釈を加えて紹介する。


(1) Chapter 3 :Adequacy of Regulations
 第3 章「規則の妥当性」 


 ILO(国際労働機関)は第一次世界大戦の惨禍を経験した先進国が社会正義の実現無くして世界の平和は無いとの理念のもとに設立された国際機関である。そして社会正義の実現は労働者・弱者保護につきる。中でも適正な労働時間の確立は19世紀初め頃から労働者の要求してきた基本的な運動である。 そしてILOが設立された1919年に最初に採択された条約第一号は労働時間(工業)条約である。 これは一日の労働時間8 時間、週48時間を超えてはならないと定めたものである。多くの例外規定があり、また抜け穴も多くあったものの当時としては画期的な条約であり有名な条約である。 しかし、これを各国が受け入れる余地は無かった。
 海事分野でも多くの労働時間を規制する条約が採択されたが、発効するものは無かった。 海事関係条約等を審議する海事総会はほぼ10年に一度開催されるが、海事総会の度に新しい労働時間に関わる条約が採択されるような感じであった。 この発効の目処もない条約を作ることに空しさを感じた労使双方がそれまでの海事関係条約・勧告を統合して2006年の 海上労働条約を策定し、採択しそして発効させたと言っても過言でないであろう。 この海上労働条約はこと労働時間に関しては第一号条約とは似ても似つかぬ規定である。
すなわち同条約第2 . 3 規則は
(a) 最長労働時間は、次の時間を超えないものとする。
 (ⅰ) 24時間につき14時間
 (ⅱ) 7 日間につき72時間
(b) 最短休息時間は、次の時間を下回らないものとする。
 (ⅰ) 24時間につき10時間
 (ⅱ) 7 日間につき72時間
 である。これが船内労働の実態に近い状況と考えられ、官労使が受け入れるギリギリの線であった。
 一方STCW条約は1995年の包括的見直しで、労働時間については、第Ⅷ章で当直に関する基準・任務への適合として、24時間について最低10時間の休息とし、2 回を超えない期間に分けることが出来るが、そのうちの1回の休息は少なくとも6 時間以上なければならない、また7 日間につき70時間以上の休息等と定めている。
 ところが2010年のマニラで開催された会議において、適切な当直体制の確保策として、最短休息時間を週70時間から77時間に引上げるとした一方、 例外として70時間にする場合の要件を明確化するとして、種々の緩和規定・例外規定を設けることにより週91時間、さらには週98時間働かせることを可能と解釈する余地を与えた。これについて調査に参加したNGOの役員は次のように言っている(要旨)。
 『我々はILOで海上労働条約を採択し、これを持ってジュネーブを後にした。それはまるで第二次世界大戦前夜、ヒットラーと会談しミュンヘン協定書を持って得々として帰ったチェンバレン英国首相のようだった。(注1 )そしてジュネーブに居た船主達は今度はIMOに行き、海上労働条約の合意を全てぶち壊した。それはまるでサッカーのゴールポストを動かしたようなものだ。STCW条約のマニラ会議ではいわゆる “Norwegian exception”(注2 )で船員を週98時間も働かせることに成功した。海上労働条約の権威は地に堕ちた。』
 また他のNGOの役員は『海上労働は世界で最も危険性の高い職場の一つであり、そこで最も危険性の高い労働時間体制を取っている』と指摘している。
 そして、いわゆる6 -On, 6 -Off の航海当直の2 直制については参加者の全員がその廃止を求めている。例え法律的に合法と見做されたとしても、医学的・生理的に問題があることは明白だと言い切っている。IFSMAもこの2 直制全面廃止に熱心なのは本誌第458号(2020年8 月・9 月号)に書いたとおりである。


(注1 )「ドイツに軍事力を増大させる時間的猶予を与えた」と同時に「英仏が実力行使に出るという危惧を拭えていなかったヒトラーに賭けに勝ったという自信を与え、侵攻を容認したという誤ったメッセージを送った」として、現在では歴史研究家や軍事研究家から強く非難されている。特に1938年9 月29日付けで署名されたミュンヘン協定は、後年になり「第二次世界大戦勃発前の宥和政策の典型」とされ、近代における外交的判断の失敗の代表例として扱われている。
(注2 )ノルウェーが提案した緩和・例外規定でSTCW条約の第Ⅷ章1 節パラ9 をさしている。


 筆者は海上労働条約について最初から最後まで船主側の委員として関わり、またSTCW条約改正のマニラ会議ではIFSMA代表団の一員として参加した。今となっては週98時間も働くことを合法と見做すような規定は問題があったと思う。そして、今回調査の参加者が何度も述べているようにこの休息時間が何ら医学的・生理的知見に基づいていないことは当時は殆ど考慮されなかったのは事実で忸怩たる思いはある。


(2) Chapter 4 :Recording of work/rest hours
  第4 章「労働/休息時間の記録」
  Chapter 5 : Recording malpractices
  第5 章「記録にあたっての不正行為」


 労働/休息時間の記録は海上労働条約及び STCW条約で要求されている。船社はSafetyManagement System (SMS) の遵守のためにこれを厳格に要求している。しかしながら、船内においては必ずしも規則通りに記録されている訳ではなく、多くの場合 “adjust(調整)” されている。船員がこの “adjust” にいたる背景と要因、それのもたらす弊害を洗い出すのがこの「報告書」の眼目とも言える。 調査に参加した関係者の証言(要旨)で問題点を示したい。
一航士:『毎日記録をするような暇はない。何故ならこれらの記録簿が意味があるとは思えず何の役にも立たないからだ。訓練生がまとめて記入し時々チェックするだけだ』

船 長:『もちろん労働/休息時間記録について二重帳簿がある。一つはポート・ステート・コントロールなどの公用のため、一つは時間外手当請求の為の実際の労働時間を記録したものだ』

三機士:『労働/休息時間を記録するソフトウェアは規則違反を赤色で表示する機能がある。例えば給油作業に要した実際の時間を記入しようとすれば赤色で示される』

二航士:『時々“adjust” をする。それは自分の記録に規則違反を示す赤色を残したくないからだ。トラブルの種を残したくない。』

二航士:『毎週労働/休息時間記録簿を会社に提出する。もし、規則違反があれば会社は直ちに「何故規則を守れなかったのか!理由を説明せよ」と要求してくる。こんなメッセージを受けるのは不愉快だし、説明するのにまた手間も時間も掛かる。このため“adjust” をするのだ』

三航士:『会社の圧力を感じる。規則に違反すること、会社の方針に反することを避けている。どの船員も仕事を失うことをひどく恐れている。もし、会社が次の乗船機会をくれなかったら、それは悪夢だ。それで会社が休息時間は8 時間と言えば8 時間、10時間と言えば10時間で契約するのだ。』こうした証言から記録簿の“adjust”(調整)

の行なわれる背景は理解出来ると思うが、結果的に船内における労働の実態が把握出来ず、慢性的な人手不足、加重労働の改善につながらない。 本船と船社との間の意思疎通が十分でなく信頼関係が構築できず、本船の問題が伝わらず、これが何時か重大な結果をもたらす恐れを「報告書」は示している。
 「報告書」はさらに、配乗水準に問題があることを明確に指摘している。殆どの船社が運航経費節減のため便宜置籍船を利用しており、また便宜置籍国は少しでも多くの船社を呼び込むために激しい国際的な競争を繰り広げているが、その大きな武器は規制の緩和である。 中でも船員の最小限配乗水準の規制は威力のある武器と言われている。
 便宜置籍国/船の持つ本質的な問題点については、コロナ禍でもあらためてクローズアップされたところである。 2020年5 月29日付の海事新聞に危機管理コンサルタントの山崎正晴氏の『「便宜置籍船」は正当か』という記事が掲載された。便宜置籍船の問題点は常に船員に皺寄せが来ることは間違いない。 これについては別の機会で考えて見たい。


(3) Chapter 6 :Compliance monitoring and enforcement of work/rest hours 
  第6 章「労働/休息時間の遵守の確認と執行」


 労働/休息時間記録の検証はポート・ステート・コントロール(以後PSC)による検査に期待される。しかし実際は検査官の人手不足や時間の制約でこの記録簿がチェックされ、船内の労働の実態が明らかにされることはまれである。
 検査官:『労働/休息時間記録簿の正確さをチェックするのは非常に時間の掛かる作業だ。 そしてPSCの範囲は極めて広く、常に時間が足りない。 “clear ground” (明確な根拠)がない限り記録簿をクロス・チェックすることはむずかしい。労働/休息時間記録簿を常にチェックすることを必須とすることはポート・ステート・コントロール・オフィサーの立場から困難である。』
 この章の要約は、『船内における疲労問題の深刻さと争う余地のない調査による証拠を以てすると本件に関するPSCの活動と次善策はあまり意味がない。 これはPSCの優先事項が技術的事項(ハードウェア)に置かれていて、人間活動(ライブウェア)ではないことを示している。 これは殆どの事故が人的要因に由来するというデータとは全く相容れないものである。』と結んでいる。


(4) Chapter 7 : Systematic failures in shipping
 第7 章「海運における組織的な失策」


 関係当局、船社、船員が労働/休息時間に関する国際規則を全面的に執行するという計画が一向に成功しない理由は下記に由来すると「報告書」は指摘する。
★多くの旗国は国際的な競争力を維持する為に船舶の配乗水準を見直し、それを厳格に適用することを避ける傾向があること。
★PSC体制が不十分で、労働/休息時間記録簿記載をモニターし、違反を抑制することが困難なこと。
★多くの船社が本船からの不都合な或いは苦情などのフィードバックを嫌い、そして配乗水準を見直し、船員の疲労の軽減などに積極的でないこと。
★船員自身が記録簿自体を無意味と思いさらには扱い次第によっては厄介な代物となると思っていること。 すなわち正確な労働/休息時間を報告することにより結果的に規則違反となり、会社の不興をかったり、その結果職を失う恐れを感じ、また余分な手間や時間が掛かることを避ける傾向にあること。


(5) Chapter 8 :Conclusions, Chapter 9 :Recommendations
  第8 章「結論」、 第9 章「勧告」

 この「報告書」の結論については次のパラグラフを引用しておく。
『船員の労働/休息時間を正確に記録することは海上労働条約とSTCW条約の双方に基づく要件であり、国際規則に対するコンプライアンスの監視ツールでもある。 労働/休息時間の記録が日常的にまたはシステマティックに“adjust”(調整)されている場合、船内労働に対する適切なフィードバックはありえない。 それは、会社の経営陣と規制当局が船内労働に関する正確な情報が得られないからである。 それは、船員の疲労を軽減する戦略の有効性を理解することを妨げ、船内労働環境の改善の試みを限定することになる。 そしてまた、当局の規制の施行措置を弱体化させる。』


 勧告として詳細な項目が挙がっているが、ここでは次の2 点だけを掲げておきたい。
★ILOとIMOは安全な海上交通を確保するために強制力のある合理的な配乗水準を策定することを始めるべきである。
★ILOとIMOは現在の労働/休息時間に関する規則を見直し、科学的根拠に基づいた疲労に関する研究成果を生かすべきである。


おわりに

 2006年ジュネーブにおいて、海上労働条約の採択会議が行なわれた際に、船主側は各国の政府代表団を説得することに失敗し、労働/休息時間規制が基本的に船長にも適用される事となった。その時船主グループ内では、条約案を厳密に適用すれば船長を二人乗せる必要があるのではないかとの声も飛び交った。
 船長に対する規制については、会議終盤において日本政府代表が事務局見解を質し、労使協定により適用除外可能との心証を得た。
 海上労働条約が少しずつでも船内労働環境の改善に繋がると信じていたが、最も基本的なところで、この「報告書」の指摘するような不適切な処理、“adjust” が慣行となっているのはまことに残念である。


 今回本稿で紹介したのはこの「報告書」のほんの一部、あるいは一面に過ぎない。 興味のある方は是非「報告書」を読んで戴き船内労働環境の改善に資して戴きたい。


参考資料

1 .“Maritime Logistics professional” 2020年11月9 日
2 .“gcaptain” 2020年11月9 日
3 .“Trade winds” 2020年11月19日
4 .“Llyod’s List” 2020年11月11日、11月24日、11月27日
5 .日本海事新聞 2020年5 月29日付


LastUpDate: 2024-Apr-25