(一社)日本船長協会事務局
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兵庫県丹波市立進修小学校
元日本郵船㈱船長 水船 憲一
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「船長、母校へ帰る」
兵庫県丹波市春日町国領地区自治協議会主催の、我が母校進修小学校(明治6 年創立)児童夏季休暇中の自主学習として、令和たんば塾・進修= 国領ふるさと塾= で以下の概要で“海と船” について話しをする機会を得ましたので此処に寄稿します。
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1 .経緯
昨年5 月末に、和歌山県有田市のENEOS和歌山製油所を最後に、50年近くに及ぶ勤めを終え故郷丹波市へU ターン転入、野菜作り等やりながら、20年ほど荒れ放題になっていた自宅をボチボチ整理していたところ、隣保の自治会世話役の元先生から、夏休みに児童達に自身の豊富な体験談を話して貰えないかと相談を受け、熟慮?の上何かお役に立てればと引き受けた次第。
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2 .講演準備等
在職期間には、海上勤務、海外を含む陸上勤務、その後の国家プロジェクト−地球深部掘削船『ちきゅう』の運航管理や製油所でのバースマスター経験があり、何を児童達に語ろうかと思案の上、日本船長協会が定期的に実施している−子供達に海と船を語る- を思い出し、何か参考になるものがあればと、同事務局に問い合わせたところ、幸いにも講演支援を快諾下さり、船や海運に関するKids向け関連資料(含むDVD)の提供を受ける事になった。
当初、自治会世話役から持ち時間は小1 時間と依頼されていたが、直前にカリキュラム上、持ち時間が実質30分程に短縮され、且つ6 年生は当日、他の予定が偶々入っており全校生約100名中(我々団塊世代の3 割強程度!)、1 年から5 年生の約20名と地区自治会長以下、世話係り数名の規模になっ
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3 .講演実施状況等
この“国領ふるさと塾” は、例年夏休み中
に国領地区自治会有志の児童支援者達の世話
で、隔週で計3 日間開催され、当方が担当す
る「海と船の話」は特別講演として最終日の
2 時間目に予定されました。また、児童の送
迎は各親が責任を持って実施する取決めに
なっているもので、カリキュラムの時間変更
は不可能でした。
・日時:令和4 年8 月8 日(月)
1 時間目( 8 :30〜9 :00)
児童たちの自主学習時間で宿題等を友達みんなでする時間でした。
休憩時間( 9 :00〜9 :20)
2 時間目( 9 :20〜10:00)
特別講演- 海と船の話
・場所:国領ふるさと館(進修小学校の隣り)
・ 講演内容:事前に数回に亘り、自治会世話役と打ち合わせて作成した約80コマのパワーポイントを使用、時間的制約から以下にポイントを絞りました。
○日本は世界の中でどんな国
○ 国民の生活に必要な衣食住は殆どが海外からの輸入品に頼っている
○ それらは外航船で輸送され、船には様々な種類がある
○ コロンブス等の帆船大航海時代から現在の大型船への変遷
○海と船を繋ぐ港の役割
○外国人とのコミュニケーションのやり方
○船上でのエピソード
・ 進め方:自治会世話役から演者の簡単な紹介後、小学校の大先輩として上記に従って、クイズを入れ乍ら、児童達が参加出来るように実施しましたが、持ち時間があっという間に経過、まだまだ用意していた話題があったのですが、これからの日本を背負って行ってくれる児童達へ、初めての人との会話のポイントとして次の言葉で講演を閉めました。
①大きな声で挨拶する
② 相手の話は分かった振りせず、敬意を持ってしっかり聞き、自分の意見もハッキリ伝える
③時にはちょっとだけ我慢する
④ 感謝の言葉- ありがとう- を素直に言うそして、将来地元から都会、海外へと活躍出来る人になって欲しいと思いを伝え、また何処かでお会いしましょう! 拍手でした。
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4 .感想等
時間の制約で児童達からの質問時間が取れなかったのは心残りですが、みんな真剣に聞いてくれました。昨年までに、この“国領ふるさと塾” で実施された演題は、スイス、イスタンブール日本人学校の元先生方からの
“あんな事こんな事” だったようです。後日世話役から届いた児童達の感想文には、初めて聞く話ばかりだったようで学年により差はありますが― 講演は面白かった、初めて知った、輸入品に頼る生活にビックリした、海と船の大切さを知った、港の役割が分かった、みんな頑張っているからお菓子やチョコレートが食べられる、いろいろ教えてくれてありがとう― 等々とありました。
閉会後、孫のような児童が演台まで来て、“ありがとうございました” と言ってくれた時、少しホッとしました。
当日参加者に配布した資料等は、今後、母校の授業に活用されると聞きました。
終わりに、本講演準備に力仕事を賜った自治会世話役の久下秋郎様始め、日本船長協会の本シリーズを担当されている、長田、中川両常務理事のお二人には、この潮気が抜け始めた語り部への助言及び資料提供等で大変お世話になったことを申し添えます。
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