第305回 東京都港区立笄小学校

(一社)日本船長協会事務局 

 

1.開催日時

 令和4 年10月13日(木) 10:50~11:50

2.紹介

 昨年に引き続き、東京都港区立笄小学校に於いて、日本船主協会/ 日本海事広報協会と共にキャリア教育イベント/ 出前授業「船の役割とそこで働く船員さんの仕事」について講演しました。
 今回は、我々海運の他に、素材/ 食品/ 寝具/ 気象情報/ 建設舗装/ 医療/ 不動産/ 医薬品製造などの業種からも講師が招かれ、各学年の人数に応じて学年毎に2 講座若しくは3 講座が割り振られ、その中から、子供達が業種(講師)を1 つ選んで、講話を聞くという形式で行われました。
 なお、同校では周辺の1 校の幼稚園/ 3 校の小中学校と連携して国際理解教育に力を入れているとのことです。

3. 講演内容

 本教育イベントでは“話を聞くだけでなく、自分たちで考える/ 参加する” ことに主眼を置いた講演内容を求められた為以下の内容としました。
 最初のパートでは、船協企画部広報室/ 野垣課長が、パワーポイントを使用して、子供達の身近にある製品を運ぶコンテナ輸送に焦点を当てて以下の内容で話をしました。
・貿易に占める航空と海運の割合とその理由
・色の違う2 種類のコンテナ型の小物入れを配布し、この2 種類のコンテナの違いを、中に入れていたサッカーボール型とフライドポテト型の消しゴムをヒントに考える。
・コンテナがどの様に運ばれているか、コンテナ船の模型を示しつつ説明。
・サッカーボール(パキスタン製)を日本まで運ぶ船の通り道クイズ(白地図に予想航路記入)
・フライドポテト(米国製)を日本まで運ぶ船の通り道クイズ(白地図に予想航路記入)
・パナマ運河について
・世界中の船の現在位置を、子供達の持つタブレットで閲覧し、世界中で動いている多くの船を実感してもらう。
 次に、小職のパートでは以下のような話をしました。
・身近にあるコンテナターミナルについて
・コンテナ船で運べるもの? クイズと実際の貨物の紹介
・コンテナ船の大きさ/ 乗組員は何人? クイズ
・船員の仕事と生活
・船上で出会える風景
 最後の質問タイムの後には、ロープワークの時間を設けて(リーフノット/ シートベント)を皆で結んでみました。

4.講演者雑感

 今回の講演では子供達への演出として、船協殿パートの最初では小職は普通の背広姿で資料配りなどを手伝っておいて、途中で小職は教室を出て制服/ 制帽姿に着替え、野垣氏の「船の詳しい話は実際に働いている人しかわからないよね」という振りの後教室に入ると教室にはどよめきと拍手が起きました。

 質問タイムでは、以下のような質問が出ましたが、普段身近に居ない船員の生活にとても興味を持ってくれたようでした。
・運転してる時に流れ星とか見た事は有りますか?
・船員の給料は?
・残業って有りますか?
・船で暮らしていて揺れたりしますか?
・船酔いする船員はいるのか?
・一番航海しやすい海はどこですか?
・スイーツって食べられるの?
・今まで貿易とかやっていて、コンテナの中に入ってたモノの中で一番驚いたモノは?・どうやったら昇進するんですか?
 一つの質問に答えていても次々と疑問が湧いてくるようで、筆者の説明を聞いて直ぐに「・・って言ったけどそんな時はどうするの」と関連する問いかけや驚きの声が挙がっていました。余りに盛り上がった為に予定していた「地図とコンパスを使った三地点の距離から自分の位置を知る方法」を体験するコーナーは省略する運びとなりました。
 ロープワークも比較的簡単で二人で取り組める結び方を選択した為、みんながワイワイととても楽しそうに取り組んでいました。

(常務理事 長田 泰英 記) 

 


LastUpDate: 2024-Apr-25