3.講演内容及び所感
今回のプログラムは、担当の塚田教諭が行う授業に講師として海事広報協会斎藤氏と筆者が参加する形で実施されました。
先ず塚田教諭が導入を行い、その後斎藤氏が“日本海事広報協会とは” “日本の貿易クイズ” や“ファミレスチェーンのサイゼリアで使われている食材の原産地リスト” 等を使って日々の生活と貿易の関りについて話しました。クイズでは、生徒一人一人が持つタブレットに答を入力する状況をホストのタブレットで塚田教諭が確認していくなど、生徒一人一人に考えさせる仕組みが出来ていました。
続いて塚田教諭のパートとして、海事広報協会作成の「飛行機」「船」に関する動画(船パートは筆者が出演)を視聴した後、グループワークとしてそれぞれの輸送手段の特徴をタブレットを通してシステム上の掲示板に抜き出して発表し、それに対して筆者が目立った意見や解説や修正点などを伝える事で、海事産業の重要性を生徒達に伝えました。
その後システム上に白地図を用意し、“ベルギーから川崎港まで” と“川崎港からアメリカ東海岸のフロリダまで” の船の航路を考えてもらい、各グループより発表してもらいました。事前学習でスエズ運河やパナマ運河などの情報も得ている生徒もいましたが、それを踏まえて運河を通らない航路を選択した生徒さんや、東南アジアの狭隘部や陸岸から近い場所を避けて航路を設定する生徒や、敢えて北極南極を通るルートを試みるも、地図の繋がりを勘違いしてルートとして成立していないなど、それぞれの観点や優先順位に従って航路を選定してくれました。一般的な優先順位(安全・コスト安い・早い)に基づく我々とは違って、生徒達の自由な発想を見ることが出来ました。発表されたそれぞれのルートに対し筆者がコメントし、どんな点に気を付けて航路を選定するかや、運河の詳細について説明しました。
最後に時間が限られていたことから、船員の仕事について駆け足で紹介し、我々船員が運んだ貨物が皆の暮らしを支えている事を伝えて、講話を終えました。
(常務理事 長田 泰英 記)
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