米国の船長協会はCouncil of American Master Mariners, Inc.(CAMM)と称している。
全米を南北太平洋、南北大西洋、ガルフ地域の五地域に分け、それぞれの地域に船長協会が存在し、CAMM はその連合体である。
CAMM は1936年(昭和11年)に結成されたが、1974年にIFSMA が創立されると直ぐに加盟し、以来常に副会長を出してIFSMA を強力にサポートしている。現在のIFSMA の副会長であるCapt. Jerry Benyo はCAMMの代表である。
CAMM の会員は全米で約900人とのことで、会員の老齢化で最近は会員数こそ減少気味だ
そうだが、会としての活動は前にも増して活発だという。
現在の会長はCapt. Cal Hunzikerで長らくシアトルのPuget Soundのパイロットを務めていた。
CAMM の会員資格をみると、正会員として日本の一級海技士(航海)に相当する資格証明書保持者と5,000総トン以上の外航船の船長を務めた者、さらに20,000総トン以上の船で1年以上の経験を持った上級ないしは1級パイロットとなっている。
特別会員として、USCG(米国沿岸警備隊)の船長や2、3級パイロット、そして准会員として海軍士官、船員養成機関の学生、海事海運関係者の入会も認めている。
会員の募集には相当力を入れており、もし1年間に3人以上の新会員を紹介した会員には本人の1年間の会費を無料にするとあり、面白い発想だとおもう。
CAMM の機関誌は“Sidelights”と名付け年間4回発行している。
総会特集号を除いて通常は25、6ページで、この種の機関誌としては薄いものである。Sidelights はもちろん舷灯のことであろうが、辞書を引くと間接的説明ないし情報という意味もあり、海運や海事社会に対する付随的な情報発信を自認しているのかも知れない。
2006年にIFSMA がCAMM の招待でロスアンジェルスで総会を開催した時、当時の会長であったCaptain Tom Bradley と知己となり、以来この“Sidelights”が送られて来る。
フランスの船長協会からも定期的に機関誌が送られてくるのだが、先日日本船長協会の機関誌を送って欲しいといわれ日本語版しかないと断ったうえで送った。
日本船長協会も国際活動を活発化し、フィリッピンの船長なども会員に取り込むようなことを考える時期が来たならば、「月報CAPTAIN」の英語要約版の作成を考える必要があるかも知れない。
さて、今回のIFSMA便りはこの“Sidelights”の最新号(Fall2009)の二、三の記事を紹介しながらCAMM の活動状況を見て見たい。
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