第36回 鹿児島県南種子町立南種子中学校

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作文/やまだ/金城/徳永/河野/大脇/日高/船川
(株)商船三井 船長  濱田 俊秀
1.開催に至った経緯



南種子町は種子島の南地区にありその最南端にある戸倉岬は1543年に南蛮船が漂着し、ポルトガル人による鉄砲伝来の地として有名である。近年では、宇宙航空研究開発機構による種子島宇宙センターが建設され、本年1月にはH2Aロケットによる陸域観測技術衛星「だいち」が打ち上げられ、無事に軌道に乗ったと報道された。このような歴史と未来が共存する町の出身で旧山下新日本汽船に入社し、現在は商船三井の船長として活躍中の濱田俊秀船長の紹介で、今回の講演会は母校の町立南種子中学校で開催された。同中学校では、毎年この時期に2年生を対象に立志式 を開催しているので、その日に合わせて開催したいとのことで2月3日の実施となった。この立志式は14歳になった2年生が自立を意識して、今後の進路に目標を掲げ、先人の生き方に学び、郷土を愛し、視野の広い人間として自覚する機会を持つことを目的として行われている恒例の行事である。これは、子供達が将来に夢を持って生きて貰うという「子供達に海と船を語る」事業の目的と同じであり、喜んで協力することになった。
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2.準備等

 前日に、森本会長、原田船長(常務理事)、濱田船長、私が揃って学校へ挨拶に行くと、 既に会場の準備は生徒達の手で行われおり、講演会用の映像装置などを原田船長が学校側と協力して整備し翌日に備えた。

立志式は、2年生生徒、職員及び保護者の参加で1・2校時(8:40~10:30)に行われ、引き続いて3・4校時(10:45~12:15)に1・3年生が加わって、全校生徒249名及び学校職員、父兄で総勢300名ほどが参加するとのことであった。

3.講演会

 当日は雲が低くたちこめ、ここが南の島かと思うほどの寒さで、九州地方にも異常な降雪をもたらした今年の冬の気象であった。寒風の中を、学校に着いて校長室に入るとストーブが焚かれていて暖を取りながら、川崎校長、PTA会長を交えて話をしているうちに立志式が始まり、我々も父兄と一緒に傍聴した。

講演会は、教頭先生の司会によりはじまり、 川崎校長先生の挨拶、森本会長の挨拶に続いて濱田船長が後輩達に話をし、その内容は濱田船長の報告(後述)のとおりで、小さい時から海に親しみ沖行く船を見ながら育ち、高校へ入る時には既に商船大学へ進むことを考えていたという、子供達に将来の進路を考える上で素晴らしい話であった。その後、協会作成のDVD「海と船」を上演して、私の講演となった。講演内容は、我が国の海の広さと大きさ、海の重要性、現代の海賊の話、私の印象に残った航海についてパワーポイントの映像を見せながら話した。講演終了後、生徒からの質問に応え、生徒代表の小脇菜奈さ んによるお礼の言葉を受け、最後に船長協会から生徒及び学校への記念品を贈呈して講演会は無事に終了した。

4.濱田俊秀船長の報告

 私の講演の中でも話しましたが、人との出会いは面白いもので今回のこの講演のきっかけもそのような人との出会いでありました。

私は平成元年から出向して日本海難防止協会で4年ほど働きましたが、その時の上司が今回一緒に講演をして頂いた池上船長で、今回の話も池上船長から頂きました。

とにかく、私の出身の南種子町の中学生のみんなに船や海や外国の話を聞かせてやりたいと思い、南種子中学校の西村教頭先生に連絡したのが始まりでした。

後輩達に話をする濱田船長 熱心に聞き入る保護者たち
後輩達に話をする濱田船長 熱心に聞き入る保護者たち

 今回の講演は例年行われている立志式の一環として実施されましたが、講演の前の立志式も大変立派な行事で、この立志式の趣旨に出来るかぎり沿うような挨拶をしようとしたのが以下の内容です。話したいことは一杯あったのですが時間が限られていることもあり、少々残念でした。

作文/やまだ/金城/徳永/河野/大脇/日高/船川

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LastUpDate: 2024-Mar-25