第82回京都府京丹後市立久美浜中学校

日本船長協会事務局

「船長、母校へ帰る」講演後の感想

この度、貴会より、我が母校の久美浜中学校で「外国貿易やその船」について話す機会を戴き、平成22年6月4日、当校の社会授業の一環として迎えられた。
聴講者は、全校生徒が約170名、教職員と父兄が約30名で、体育館に設けられた会場には「船長、母校へ帰る」の拡大ロゴを載せた幅1mの横断幕が飾られていた。
これを観て、正に、帰って来たぜ、との気分になってしまった。
40余年の先輩として、今の生徒達に具体的に何を語らんと思うも、折角の、後輩生徒達との貴重な語らいの場なので、自分の船乗り人生を紹介しながら思いを伝え問答するように心掛けた。
前以て、当協会から当校へ送って戴いたDVD等の資料による事前学習も為されており、講師として直々に話す時間を増やした。
当協会の長谷川常務理事が前半に講演され、私の為に編集して戴いたパワポン資料も揃っており、それらに触れながら想う所を気軽に話せた。
生徒の反応も良く、興味深く聴講してくれて、現代っ子らしい率直な質問もあり時間が足りなかった。
私達の時代に比べ女生徒の活発さが印象的だった。
海の傍の街でも、船に親しんでいる生徒は少なくなり、TVゲーム等のIT機器の虜とならざるを得ない世の中かも知れないが、体力と気力を兼ね備えるよう訴えた。

久美浜中学校正門

1953年(S.28)生の、私は、この校舎から見える久美浜湾での舟遊びから、外航商船の船長になりたいと思うようになりこの世界に入った。
船長になって、夢の一つが叶ったが、将来の進路を考え始める年頃の生徒にとって、船長稼業に拘らず久美浜から世界へ羽ばたくきっかけになればと願っている。
兎に角、「井の中の蛙、大海を知らず」の格言どおり、故郷を離れて多くの物を観て世界観を広げるべきであり、その基礎知識を中学校で学んでいるのだと先輩として力説した。
私も、歳をとるに連れ、帰郷する度に益々、そのおだやかな美しさを強く感じるようになった。
これも、自分が訪れた日本や世界の街や風俗と、無意識の内に比べ得るからだろう。
生徒代表と教頭先生からの返礼には、海や船の世界でも、外航商船の活躍するスケールと重要性を初めて紹介された事に謝辞が述べられた。
最後に、私からのお願いで、校歌斉唱して戴いた。
校歌には生徒の発展を願う気持ちが上手に謳われているが、その歌詞に胸が熱くなれるのは、生徒の歳に非ず、今の歳になってからのようだ。
今後も、日本船長協会が、子供の将来のコンパスになる「船長、母校に帰る」を続けられますよう祈念申し上げます。

松田教頭先生の挨拶 安達船長の講演
長谷川船長講演 質問する生徒

京都府京丹後市立久美浜中学校生徒達の感想文

生徒達の作文//////


LastUpDate: 2024-Apr-17