昨年は大変な年でした。3月11日に突然襲った、東日本大震災、原発事故、恐れていた格納容器のメルトダウンまで起こしている模様と報道されています。多くの犠牲になられた方々へあらためて哀悼の意を表します。また寒い時を仮設住宅で過ごされている方々のご健康と、早く再帰出来ることをお祈り申し上げます。去年の今頃はだれもこのようなことを予想だにしていませんでした。津波が沖から襲ってくるテレビの映像、船がコントロールを失い、潮のなされるままに動きまわり、岸壁、船同士がぶつかり合い、陸に擱座した場面は深く脳裏に焼き付いています。直ちに、災害救助活動に尽力された自衛隊員、海上保安官、消防関連の方々、地元の関係者等の活動に深く頭が下がります。その後、徐々に瓦礫がかたづけれられていく映像も見るようになりました。東北地方の工場からの自動車部品の供給ストップや電機産業の製品の製造停止、また交通網寸断の影響も日本経済に大きな打撃を与えました。 日本の経済は大震災の影響によりスローダウンをしているのにもかかわらず、何故かドルの換算レートは円高に大きく振れたまま戻りません。ドルで決済している海運会社の収入にも大きな打撃を与えています。また10月のタイを襲った大洪水でメーカーの海外移転がここまで進んでいたかと見せつけられました。加えて昨年の後半より急激にギリシャをはじめポルトガル、スペインのユーロ国が債務不況に陥りました。なんとか混乱が起きないよう願います。世界の荷動きは日本、中国、その他アジアからヨーロッパ、米国向けが鈍り、 また中国の消費の低下による原料の輸入減、インドのインフレ等により厳しい状況です。12月に入り数隻のVLCCが処分に入ったといわれています。 日本船長協会の正会員数は昨年より若干減員となって534名(11月末現在)で、ほぼ横ばいに推移しています。会員の皆様に技術面でお役に立つこと、IMOの動向、国際ルールの改訂等に目を配り、その対応等についてお知らせしてまいります。また国交省関連の安全についての会議、日本諸港湾の安全航行に関する調査委員会にも出席し、操船者の立場にたっての意見、考えを発言していきます。対外的には国際船長協会のメンバーとして年2回の理事会(うち一回は総会も含む)に出席し、意見交換を行なっていきます。 なお、日本船長協会は新公益法人制度に則り、今年の四月を目途に、『社団法人』から『一般法人』へ移行すべく準備を進めています。 平成24年が良い年となりますように、会員皆様のご健勝とご安航を心からお祈りします。 |