東海大学海洋学部教授 元日本郵船船長 津金正典 | |||||||||||||
1.開催に至った経緯3年前に船員教育に携わるようになり、少子化の問題を身近に感じると共に子供たちにもっともっと海や船に関心を持ってもらう必要があると感じておりました。しかしながら、いざ日本船長協会から本企画の講演の依頼を受けた時は、短期間の船長経験しかない自分にはふさわしくないと思い躊躇しました。 一方、生まれ故郷の信州ではまだ開催されていないとのお話には少し残念だなという思いもありました。そこで、母校である下諏訪中学校に受け入れてくれるかどうか、とりあえず打診をしてみるということにして校長先生に事情を説明した手紙を書きましたところ、同校で行っている「夢いきいき授業」の一環として引き受けていただけるというご返事があり講演の開催が決まりました。 2.講演の準備などどのような話をすれば生徒に関心も持ってもらえるか迷った末、結局、自分が 「なぜ船にあこがれたか」、「どのようにして船員になったか」、「船でどんな港に行き、どんな仕事をしたか」、「船員生活の楽しかったこと・苦しかったこと」、「海の驚異」、「船員以外の仕事があること」「生徒に期待すること」 等を“海への誘い”というタイトルで自分のアルバムの中からいろんな港・船・船内生活・外国への出張の写真を抜き出し、パワーポイントのスライドにして時系列的に説明することにしました。 何年振りにアルバムを取り出し適当なものを抽出しましたが一枚一枚の思い出が目に浮かび、楽しかった過去をもう一度やり直せないものかと切に思った次第です。
3.講演会講演会は、平成19年6月15日(金)に中学校の講堂で開催され、参加者は同中学の2・3年生230名と学校関係者及び保護者が約30名でした。講演会当日は、卒業以来の学校訪問で懐かしい限りでした。また、先生方が生徒の指導に必死に取り組んでいる姿を目にして中学教育の難しさを感じました。 講演会は、林先生の司会で始まり、三村昌彦校長先生の挨拶及び森本靖之船長協会会長の挨拶のあと、協会が作成した「海と船」DVD を上映した。引き続いて、約30分間の講演を終え生徒からの素朴な質問を受けたときは正直なところほっとしました。 最後に、生徒代表の御礼の言葉を受けて無事に講演会は終了しました。この生徒達の中から一人でもいいから海や船に関心も持ってもらえたらというのが実感でした。
4.おわりに 余談ですが、地元新聞に講演会の案内が載り中学時代の恩師や同級生が聞きに来てくれて、こちらの方が緊張しました。最後に講演を受け入れていただいた三村校長先生、本企画を実施されている船長協会の方々に心より御礼申し上げます。そして、全国一円にこの企画が広がり子供たちの海・船への関心が高まることを祈っております。 新聞記事 |
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