第51回 京都府立海洋高等学校

 (社)日本船長協会 会長 森本 靖之

1.開催に至った経緯

 JR 福知山駅にて北近畿タンゴ鉄道に乗換え宮津駅にて下車。同駅から車で約10分のところに府立海洋高校がある。所要時間は京都駅から約2時間。此処は日本三景の一つ天橋立から約5km 東に位置し、丹後半島により日本海の荒波から遮蔽された静穏な栗田湾に面している。構内のポンドには外洋トロール船タイプの実習船(185トン)が係留されていた。

 同校は明治31年に京都府水産講習所として誕生し、昭和23年に京都府立水産高等学校となり、平成元年に現在の校名になった。学科は、大学進学を目指す『海洋科学科』、船舶の運用と海洋開発に関する知識を教える『海洋工学科』、この中には“航海船舶コース”があり、航海士への道も開かれている。さらに水産資源の管理や活用を教える『海洋資源科』の合計3学科がある。進学組、就職組は大体半分されているとのこと。

 今年は東京海洋大にも入学したと校長先生が嬉しそうに言っておられた。全校生徒数は281人(うち女生徒は71人)、その殆どは京都府内出身であるが、大阪や兵庫の出身者も在学している由。遠距離居住者用に寮も完備している。今回の講演は、当協会のホームページにより『船長、母校に帰る』の活動を知り、海と船を知る経験者の話を是非生徒たちに「船長と海の魅力」と題して講演をして欲しいと、協会に申し込んでこられ実現した。

校舎風景
校舎風景

2.講演会

 今回の講演は森本会長と福田常務が出張した。これまでこの活動は小学生や中学生を対象に行っていたが、今回は高校生であり、しかも海洋高校であるから、講話の内容は

『船長の職務と権限』、『荒天遭遇』、『公海、領海そして排他的経済水域』

など専門性を高めて、経験談も交えて話をした。

森本船長協会会長挨拶 船長協会から学校へ記念品贈呈
森本船長協会会長挨拶 船長協会から学校へ記念品贈呈

3.おわりに

 地方の小学校で行う場合、1年生から6年生の全員とその後ろに父兄が並んでいる場合もあり、そんなときの講話の内容とレベルには苦労するが、今回のように海洋高校生を対象とする方がむしろやり易かった。
<(社)日本船長協会会長 森本靖之記>

生徒達の作文

生徒達の作文////


LastUpDate: 2024-Apr-25