IFSMA便り NO.41

第41回 IFSMA 総会出席報告

(一社)日本船長協会 会長 小島 茂

 

 国際船長協会連盟(IFSMA)の第41回総会 が4 月16日、17日の両日、南米チリ、バルパ ライソ市近郊のビーニャ・デル・マールにて、 14カ国の船長協会からの参加を得て開催され ました。その概要を以下の通り報告します。

1.総会の模様

(1) 開会挨拶
 総会招待側のチリ船長協会、“NAUTILUS” の会長Capt. Juan Gamper から歓 迎の挨拶があった。次にIFSMA の事務長 Mr. John Dickie からお礼と開会の挨拶が あった。会長Capt. Hans Sande はノル ウェーの船員組合長のご逝去があり当総会 は急きょ欠席となった。

(2) 活動報告
 2014年度の活動および決算報告が事務局 長からあった。
 IMO との関係については、従来から船 員および航行安全関連の会議に出席し、船 舶の航行関連事項、船員の労働状況等の説 明、客船事故の関連等についても意見を述 べてきた。最近、IMO からの問い合わせ も多くなってきており、IMO からは、 「IFSMA は、オブザーバーの立場である が、関連委員会に出席し、現場からの意見 を積極的に発言していることに感謝してい る。今後も今まで以上の建設的なアドバイ スと協力をお願いしたい。」と言われてい るとの報告があった。
 決算については、種々コストが上がり、 またロンドン事務所(本部)の賃借料の値 上げがあった。
対応として使用スペースを 半分にし、また秘書も他の協会とシェアー して経費の節減に努めた。3 月末の会員状 況は加盟34ヶ国、会員数、11,218名である。

(3) 各国船長協会による講演
 例年、参加各国の船長協会からショート・ プレゼンテーションが行われる。その主な ものは以下の通りであった。

 

・客船事故における船長に対する刑事訴追(事務局)

 大きな客船事故が起きると、船長の行動 がすぐに非難される。原因調査が行われる 前に罪が問われる。事故調査中にも関わら ず刑が下されるケースもある。見せしめの ため、犯人作りにマスコミも躍起になり、 政府の行動も世間の反響を落ち着かせるた めに意図的なところがある。IFSMA は、 事故原因の調査・究明を、あらゆる要因に 亘って進めるよう求める。船体の改造・整 備、労働条件、訓練の頻度、乗組みの待遇、 等。また船長、乗り組みの責任の範囲を超 える要因を、間髪を入れず徹底的に調べる ことを要求する。これらの運航管理と船舶 管理の側面からの事故原因調査を徹底する ことにより、事故の再発防止が図られなけ ればならない。

・過大になる船長の負担(オランダ)

 上記、事故の際に問われる刑事責任に加 えて、現在の商船の船長の背負うもの(負 担)は近年、ますます過大になっている。 船内の国籍の異なる乗組員の指導、船のス ケジュール維持、安全航行、労働時間、船 舶保険、貨物保険、P&I 保険、契約上の 船主、実質の船主、管理会社、造船所(短 期間の修理ドック)、船級、監査会社、チャー タラー等からのそれぞれの圧力。必要以上 の検査、停船の恐れ、入港時の複数のイン スペクションと、その準備。監査機構の不 十分なシステム(ハード・ソフト両面)、 船会社間の熾烈な競争。日々の運航会社、 管理会社とのE-mail による通信の増加、 早急な返事の要求。一旦事故が発生したと きの政府の行動、マスコミからの凶悪犯人 並の追及に対して、船長のとった行動の正 当性、誤解の解除は容易ではない。
 また、船用品、食糧品搬入の許可取得手 続きに時間が掛る、家族の面会も許されな い専用バースもあるなど、必要以上に厳し い港湾保安規制がある。船員の港での行動 が過剰に規制される場合には、人権にかか わる問題として提起する必要がある。
 以上、種々問題点が取り上げられ、「い かに船長の負担を、これ以上重くしないか (軽くすることは難しい)」重要な課題であ ることに留意し、あらゆる機会をとおして 訴え、理解を求めていくべきである。

・船長と水先人の関係(アメリカ)

 コミュニケーション能力、適切なオー ダー及び返答が重要。タグボートを含め、 分かりやすく行う。事故発生の際、言った、 言わないの論争になり、訴訟にまで発展し た場合には判決の論点にもなる。船長は水 先人の意図、疑問はすぐに確認すべきであ り、意思疎通(confirm)がとにかく大事 である。船長は水先人が乗船するとホッと して、全てを任せてしまう者もいるが、水 先人はあくまでも船長の助言者であること を、肝に銘じなければならない。質疑の中 で、水先人の過失責任、補償の話しが出る。 一旦事故が起きると、災害は甚大となる。 保険の引き受け制度には限界がある。(無 理がある)

・地中海の難民船対応(カナダ)

 「商船が難民の乗っているボートを救助 すべきか」についての意見。
 衛生面、罹病の危険、食糧、居住場所、 武器の携帯の虞、危険な分子の紛れ込み、 乗っ取りの危険、乗組み員だけではコント ロールが出来ない。シリア、北アフリカか ら地中海への難民船に、遭遇、助けを求め られた場合、商船はコースト・ガード、レ スキュー船、軍艦、と連絡を取り、救助船 が近くへ来るまで停船する。具体的な行動 は各国関係者、管理会社との連携を密にと る。

 以上の様な各国からの問題提起と意見発 表に続いて、当協会は昨年度作成した教育 用DVD『BRM を支える個人の技能~経 験の浅い航海士の技能を向上させるために ~』を10分に短縮し放映しました。BRM において、若手航海士の陥りやすい行動を 指摘し、 技能をいかにレベルアップさせて いくか、本人にいかに自覚させるか、をテー マとしたことを説明し、若手育成の具体的 な手法の一つとして、DVD に添付されて いる自己採点表の利用方法の説明も行った ところ、大変好評を頂くことが出来ました。
 なお、来年の総会はトルコ、イスタンブー ルでの開催が決まったが、中近東諸国にお ける現今の政情が不安定であるため、必要 があれば変更される可能性があります。

 

2.チリ・バルパライソ港にて

 バルパライソ港は、首都サンティアゴか ら西へ約120キロ、空港からは高速道路で 約2 時間。バルは谷、パライソはパラダイ スの意味で“天国の谷” である。『海港都 市と歴史的な町並み』は世界遺産として登 録されている。16世紀中頃、スペイン人が 入り、発展(征服)していった。1818年、 チリがスペインから独立、海軍の主要港と なる。マゼラン海峡、ホーン岬を廻る船に とって貴重な経由地であり、捕鯨船も寄港 した。1848年からのカリフォルニアのゴー ルドラッシュのときは、機材の調達とアメ リカ東岸から一攫千金を期し、乗ってきた 荒くれ者達もここでひと息入れたであろう。 またヨーロッパ諸国から、多数の移民を受 け入れ、商業面でも繁栄してきた。しかし 1914年パナマ運河が完成し、その勢いは失 われていった。現在、貨物の取扱い量はサ ンアントニオ港に次いでチリ第二位。国土 は細長く、南北方向に宗谷岬から石垣島以 上の距離があり、また日本と同様、地震国 でもある。1906年には大地震が、1960年の 地震では日本に津波が到達、最近も起き、 港近くには津波注意の表示が見られた。
 15日午後、チリ船長協会は港内見学ク ルーズを準備していた。乗船した船はゴム ボートのレスキュー船、乗組員は民間人で 組織され、見張りの犬も同乗した。防波堤 の内側に軍艦二隻と潜水艦一隻が係留、そ の奥に練習帆船“エスメラルダ” が停泊し ていた。湾内の東側はコンテナターミナル、 ガントリークレーン6 基、うち4 基で商船 三井の大型コンテナ船の荷役をしている。 船尾喫水は10メートルを示す。南側の埠頭 では、長さ150メートルほどの鋼材船が本 船クレーンで揚荷をしていた。沖には自動 車船が錨を入れている。
 私ごとであるが、入社した会社は南米西 岸に定期航路を持ち、多くの在来船が就航 していた。残念ながら、この航路の船には 配乗されなかった。陸上勤務中だった40年 前、南米航路でチリが大好きになった同期 の友人と、夕方の有楽町駅ガード下を歩い ていた。三人連れの外国人に、スペイン語 なまりの英語で「軽く飲める店はないです か」と尋ねられる。友人が「どこからです か」とスペイン語で聞くと、「チリのバル パライソからです。“エスメラルダ” で。今、 晴海埠頭に着岸しています」の返事だった。 “銀座ライオン” に入る。しばらくしてタ クシーで晴海へ、船内を案内してもらう。 そのあとサロンでピスコサワーをごちそう になる。飲みすぎ、仮眠させてもらい、早 朝、花火を背景にした“エスメラルダ” の 写真を貰って、下船した。“エスメラルダ” とはその時以来の再会だった。
 16日の会議のあとの夕食会では、各地の 民族踊りをプロのダンサー男女6 人が舞っ てくれた。アンデスの山間地方、すでに小 人数になってしまったという民族の踊りも あった。
 会食には八組のチリの船長夫妻も同席し た。マゼラン海峡を含めたパタゴニア海域 の水先業務をしている船長夫妻がとなりの テーブルにつく。「わたし、主人の船で横 浜に入港したことがあります。また日本に 行きたいです」と。翌日、船長はマゼラン 海峡の写真を収めたCD を持ってきてくれ た。「今度、プンタレナスの家に泊まって、 マゼラン海峡を通る船に便乗しませんか」 と言われる。
 実は15日、港内見学のあと、オランダの 船長とデンマークの船長とで、バルパライ ソ港の歴史地区にあるレストランに入る。 店の名前は『El Alma del Puerto』“港の 魂(こころ)”。貝、イカ、小エビの料理と 白のチリワインは美味しかった。オランダ の船長は「この店、二等航海士のときによ く来たんだ」と言う。たくさんの船員が故 郷を思いながら食事をしたのだろう。
 17日夕、サンティアゴへ。バルパライソ の街を出ると一部の雑木林が黒くなってい た。運転手は「昨年4 月、大きな山火事が あり、2,500戸以上の家が焼失した」と説明。 そのあと道路の両脇にブドウ畑が広がって きた。五分ほどで通り過ぎたが、きっと良 質の美味しいワインが造られるのだろう。
 日本に帰った翌日の22日朝、チリの南部 にあるカルブコ火山が噴火、周辺住民およ そ4,400人が避難し、上空に舞い上がった 火山灰の影響で、航空便の欠航が相次いだ とTV ニュースの映像が伝えていた。被害 が広がらなければと願う。

 

 

 

Life at Sea 船のジョーク

(一社)日本船長協会 副会長 赤塚宏一

 

 今年のIFSMA の総会は4 月にチリーのヴァ ルパライソで開催された。この総会には小島 会長が出席され、その模様は報告の通りであ る。このため私は2014年度の海難統計につい て書くつもりで準備をしていたのであるが、 ある会合で会員から本誌前号(平成27年4 月・ 5 月号 第426号)に書いた沈没船のジョー クについて、「国名のリストはまだまだ続く、 とありますがどのような国なのですか、私も 2 , 3 ヶ国について作ってみました」と声を 掛けられた。
 良く出来たジョークは聞いて楽しいし、ま たそのジョークをベースにひとひねりして新 しいジョークを作るのも面白い。そんなやり 取りをしているうちにふと船や海や船員を テーマにしたジョークを集めたら面白いので はないかと思った。今号が会員諸兄の手に渡 る頃は夏休みモードに入らんとしている頃で あろうし、船にちなんだジョークでも探して みたらいかがと思い、私の集めたジョークを 披露することとした。しかし原稿締切間際に 思い付いたテーマなので時間的に余裕がなく、 極めて限られた数しかないが、今後会員諸兄 にも教えて戴き船のジョークを集めていきた いと思っている。
 この原稿を書くにあたって、インターネッ トで沈没船のジョークを調べたら、ヴァリ エーションがあるはあるはその数、数十にの ぼる。各国民にかわりタレントや有名人を標 的としたものもある。その中で一つだけ挙げ ておきたいのは、
 関西人には「阪神が優勝しましたよ」 というものである。もっとも今年はこのセリ フは効かないであろう。どんな奇跡が起こっ たとしても今年の阪神が優勝するとはいかな るトラキチでも思っていないからである。
 しかし、ジョークは面白いといってもこれ を外国で聞くことになると緊張する。ロンド ンではIMIF(International maritime Industries Forum)という団体があり、ここの会 長のJim Davis のジョークは海運界では有 名であった。このIMIF が年に一回開催する 大規模なデイナーには大勢の招待客が詰めか けた。(IMIF とは結構長い間のお付合いだっ たが、年一回のディナーの他に何か特別な活 動をしていたかどうか記憶にない…… これ またジョーク?)
 お目当ては言うまでもなくJim の数々の ジョークである。なにしろイギリス人は『そ れぞれのお国の幸福』というジョークのなか で「うまいブラック・ジョークが決まった時」 というお国柄である。ちなみに「日本人の幸 福とは、食事をさっさと終えて再び働き始め た時」となっている。
 IMIF と日本の船主協会とは友好的な関係 であったので毎年良い席に座らせてくれたの だが、時として苦痛でもあった。彼が披露す るジョークの幾つかは理解出来ても判らない ものもある。オチが短いほどわかりにくい。 彼が最後の言葉を発して一瞬の後、会場は爆 笑に包まれるのだが、このオチが判らないと 顔が引き攣って作り笑いを浮かべるしかない。 今でも思い出すのは『死亡広告』というジョー クである。
 「ユダヤ人の実業家が死の床に就いていた。 死期を悟った彼は夫人を呼んで「私には多く の友人・知人がいる。私が死んだら新聞に死 亡広告を出して皆に知らせて欲しい」と伝え た。数日後そのユダヤ人は天国に召された。 夫人は彼の遺志に従って新聞社の担当者を呼 んだ。そして死亡記事を告げた。新聞社の担 当者は「奥様、それではいかにも短すぎます。 料金は均一料金としますので、この際お金の ことは気になさらずにご主人のお友達に良く 判るようにお書き下さい。」と言った。そこ で夫人は「これでお願いします」と言って渡 したのは“Jim Goldburgh dead. ? on sail.”
 ここで会場は爆笑に包まれた。しかし筆者 には最後のオチの一言、英語でいうPunch line が聞き取れないし、理解出来ない。判っ た振りをするのも情けないので、思い切って 「あの最後の一言は何ですか?」と隣の招待 客に聞いてみた。
 答えは“Volvo on sail” である。もちろん ボルボなどとは発音しない。ボーボと聞こえ る。
 英国では中古車の取引の多くは個人が新聞 に広告を出し、それを見た人が興味があれば 直接電話などをして売買することが多い。ジ ムの愛車ボルボは乗り手が居なくなったので、 死亡広告に便乗して売りに出したのだ。
 これはまさに『日本人とジョーク』という ジョークそのものである。すなわち
「日本人は一つのジョークで三度笑う。
 1 .ジョークを聞いた時の作り笑い
 2 .そのオチの意味を教えてもらった時の 追従笑い
 3 .家に帰って、そのオチの意味が理解出 来た時の快心の笑い」
さらに一つ
「問い: 日本人を月曜日に笑わせるのには どうしたらよいか?
答え:金曜日にジョークを言う。」
駐在員も楽ではない。

 他のジョークもそうであるが、このJim の ジョークも特定の国や国民を題材にするもの、 いわゆるエスニック・ジョークが多い。英国 で笑いの標的になるのはアイルランドやポー ランド、そしてユダヤ人などである。ジョー クは毒をもつことによって権威に挑戦するの がその大きな存在理由であるが、ともすれば 偏見や差別などを助長しかねない。昨今は PC(politically correctness)の立場からJim のジョークにも時として批判もあったようで、 だんだんJim のジョークもパンチ力が衰え たような気がする。
 またある時、ノルウェー船協の労務担当の 元船長と会食した際、ノルウェーでは美味し い食事をご馳走になったら、客人はお礼代わ りに気の利いたジョークを披露するのが礼儀 だと言って話してくれた。このジョークは幸 いにして良く理解出来たが、船の食事に関す るブラック・ジョークなのでここでは披露し ない。
 集めた海と船と船員に関するジョークであ る。中には筆者の創作もある。有名なジョー クは多くのヴァリエーションがあり、会員諸 兄も目にされた事も多いと思う。定番となる ジョークとしては上述の沈没船のジョークや、 「世界一薄い本」とか「三つの願いを聞いて くれる魔法のランプ」「Good News and Bad News」などなどがすぐに浮かぶ。とも あれ「生き物で笑うのは人間だけ、それも賢 い者ほどよく笑う」というユダヤの格言もあ る。寒い、あるいはすべったジョークに対し ては、自分ならここをもうひとひねりするの だが、などと創造力を発揮して読んで戴きた い。

『浮かべる城ぞ頼みなる』
 豪華客船が不幸にして氷山に衝突した。船 に乗っていた音楽家たちは楽器を抱えて急い でデッキに集まり直ちに演奏をはじめた。沈 みゆくタイタニック号で演奏され有名になっ たあの讃美歌「主よ御許に近づかん」である。
 それをブリッジで聞いた船長は大声で命令 した。
 「まだ早いーぃ!!! 軍艦マーチをやれ、軍 艦マーチだ!!」
 船長はいかなるときにも冷静にして沈着、 的確な命令をするのである。

『ジャコブス・ラダー』
 旧約聖書 創世記28章。野宿していたヤコ ブは夢を見た。天国からジャコブス・ラダー が降りてきて、天使が彼を招いていた。敬虔 なヤコブは直ちにひざまずいて祈りをささげ た。「慈悲深い神様、天国にお招き戴き感謝 致します。しかし、天国までは9 メール以上 ございます。どうか途中にアコモデーション・ ラダーを用意して下さるようお願い致します。 アーメン」
 ノアの箱舟の建造以来SOLAS 条約は適用 されているのである。

『距岸距離』
 豪華客船で火災が発生した。乗組員の消火 活動も空しく、火勢はますます強くなり、と うとう全員が退船することとなった。そこで 乗客の一人が船長に尋ねた。
 乗客:「 もっとも近い陸地までどのくらい あるのですか」
 船長:「ちょうど1,000メートルです」 それを聞いた乗客は安心して「私ならその くらい泳げるでしょう。なにしろ元水泳のオ リンピック選手ですからね。して陸はどちら の方角ですか」
 船長:「真下に向かって1,000メートルです」。

『ノアの箱舟』
 ノアは神のお告げにより箱舟を建造し、家 族と全ての動物のつがいを乗せ、150日以上 も水上をさまよった。やっと水が引き箱舟は アララト山のふもとに漂着した。しかしトル コのポート・ステート・コントロール・オフィ サーは上陸を許さなかった。箱舟は「ねずみ 族駆除証明書」を持たなかったからである。

『イエス・キリストが元船長であった三つの 証拠』
 1 .荒天航海法を熟知していた(マタイに よる福音書8 章)。
 2 .説教はすべて命令形である。
 3 .神様がお使わしになったと信じている。

『神の鉄槌』
 入港するとThe Mission to Seafarers の牧 師が迎えに来ていた。牧師と船長は郊外のゴ ルフ場へ行きプレーを始めた。
 長い航海の疲れか船長はまったくひどい出 来で、ミスをする度に大声で叫んだ。
「Oh my god ! ミスっちまったじゃないか!」 牧師はしばらく黙って聞いていたが、つい にたまりかねて言った。
「これこれ、そんなこと言うもんではあり ません。」
「あんまりひどい事を言うと、神の裁きが あるかもしれませんよ。」
しかし、船長の神への冒涜は続き、船長は 相変わらず叫びまくった。 「Oh my god ! ミスっちまったじゃないか!」 牧師は顔をしかめながら、ちょっと強い調 子で男に言った。
「神の怒りがあなたにあっても知りません よ!」
しかし、船長は牧師の言ったことなどどこ 吹く風だった。 牧師の心配をよそに、船長は失敗してまた しても叫んだ。 「Oh my god ! ミスっちまったじゃないか!」 その直後、突然、大音響とともに空から雷 が落ちた。
 ところが、雷は船長ではなく牧師を直撃し、 牧師は死んでしまった。
 すると、雲の中から荘厳な神の声が響いた。 「Oh my god ! ミスっちまったじゃないか!」

『中国の豪華客船』
 中国の豪華客船が座礁した。船長は乗客の 不安を鎮めるためにマイクを取って船内放送 をした。
 「こちらは船長です。この船は決して沈み ません。どうぞ安心して下さい。」 すると中国人乗客は我先にと海に飛び込ん だ。

『Log Book』
 航海中に一等航海士が、船に持ち込んだラ ム酒でちょっといい気分になることに決めた。 不幸にも深酒してしまい、それでも航海当直 は二日酔いながら何とかこなした。
 やがて酔いもすっかり冷め……。酔ってい るところを見た船長から「一等航海士は今日 は酔っていた」と書かれた航海日誌を見せら れた。航海士は「船長、お願いですからどう ぞそれを消してください、さもないと私が船 長に昇進するのに何ヶ月も、何年も余分にか かることになってしまいます」と懇願した。
 しかし船長は「真実と違うと言うのか?」 と答えを知りながらも尋ねた。「いえ、酔っ ていたのは真実です」と航海士。
「真実なら日誌に記す、それが船のルール だ。これ以上話し合うことはない」船長は冷 たく言い放った。
 次の航海当直を終わって一等航海士は航海 日誌にこう書いた。
「船の状態良し、船長は今日はシラフだっ た」

『投荷』
 豪華客船が何物かに衝突して船底に穴が開 き、海水が激しい勢いで浸水してきた。
 乗組員の懸命な排水作業にもかかわらず客 船は徐々に沈んでいく。船長は最後の手段と して乗組員と乗客に不要な物は全て海中に捨 てるようにと命令した。
 アメリカ人の乗客は船に載せていた自動車 を惜しげもなく海中に投棄した。驚く日本人 とフィリッピン人に対して「こんな物、国に 帰ればいくらでもある。」日本人乗客はカメ ラやレコーダー、パソコンを無造作に海中に 放りだした。驚くフィリッピン人に対して「こ んな物、国に帰ればいくらでもある。」フィ リッピン人は手近に……を手あたり次第、海 に突き飛ばした。
 驚くアメリカ人と日本人に対し、「こんな もの、国に帰ればいくらでもいる。」

『最後のお勤め』
 豪華客船が大西洋で大シケに遇った。船長 の必死の荒天回避の操船も空しく、救命艇は 全て海にさらわれ、窓ガラスは破れ、浸水が 激しくなった。沈没は時間の問題となった。
今やこれまでと悟った船長は覚悟を決め、乗 客に自分の宗教や習慣に従って最後のお勤め をするように告げた。
 回教徒はメッカの方向に向かって恭しく頭 を下げ礼拝をした。
 カトリック教徒は、ロザリオを繰りながら 祈りをささげた。
 プロテスタント教徒は、一斉に讃美歌「主 よ御許に近づかん」を合唱した。
 仏教徒は般若心経を唱和した。
 ところでユダヤ人は不沈客船を開発するた めの研究基金を乗客から懸命に集めていた。
 韓国人は、これは全て○○人のせいだと激 高し反○デモの準備を始めた。
 そして日本人は何とか辞世の句をひねり出 すのに呻吟していた。

Content with Life at Sea
 船員の大多数は現在の船内生活が満足でき るものであると考えている。これはジョーク ではない。Lloydシs List や“telegraph”,“HIS Maritime 360” に紹介された船員の船内生活 をどうとらえているかという調査の4 月に発 表された中間報告である。
 この調査は国際海運会議所(ICS 本部ロ ンドン)とバルティック国際海運協議会 (BIMCO 本部 コペンハーゲン)が「BIMCO/ ICS マンパワー レポート 2015」のため に40ヶ国以上の船員500名以上に行ったアン ケートの結果である。
「BIMCO/ICS マンパワー レポート」は 1990年から5 年ごとに行われる世界でもっと も権威のある船員の需給に関する統計である。 筆者は1990年、1995年及び2000年の調査に関 わった。これまでは船員数の統計が主であり、 各国の船員行政機関と船社・管理会社から情 報を得ていたが、今回は船員の労働・生活環 境、各国の船員養成機関、船員組合、船員福 祉施設なども調査しているようだ。また船員 の教育訓練や需給について詳しい多くの専門 家の意見も聴取している。
 これによると近年の基本給の改善、イン ターネットへのアクセスが容易になったこと が“Happy Ship” の要因であり、定期的にか つ確実に支払われる給与と公平な昇進の機会 こそが、船員にとって満足できる船及び船会 社のもっとも基本的な条件である。また船員 の関心事は上級職に就くための訓練や教育の 機会である。
 一方ではますます複雑かつ多岐にわたる規 則・規定と山のようなペーパー・ワークに強 い不満もある。また海難事故や海洋汚染事故 にあたり船員が犯罪者扱いされることについ ても懸念がある。停泊期間や上陸の機会の少 ないことも指摘されている。
 いずれにせよ海上で働く我々の仲間が幸福 なことは素晴らしことだ。幸せな船内生活か ら楽しいジョークがうまれるのを期待してい る。
 なお、この「BIMCO/ICS マンパワー レ ポート 2015」は今年の年末には発表される そうだ。

以上

 

 

参考

 多数あるが主な物で新書版のみを挙げる。

 「頭がよくなるユダヤ人ジョーク集」

 「世界の中国人ジョーク集」

 「大学教授コテンパン・ジョーク集」

 「世界の紛争地ジョーク集」

 「世界の日本人ジョーク集」

 「続・世界の日本人ジョーク集」

 「世界ビジネスジョーク集」

 「世界反米ジョーク集」

 「世界のエイプリルフール・ジョーク集」

 


LastUpDate:2017-12-07