IFSMA便り NO.55

釜 山 宣 言

(一社)日本船長協会 副会長 赤塚 宏一

 

国際会議

 釜山港は船長として乗船して初めての港、初めての外国であった。慎重にも慎重にと注意して港外に接近、幸いにもすぐ港湾当局とVHF で連絡がとれ、パイロットが待っているので港内に進入するようにと指示を受けた。これは幸先が良いと勇躍港内に突っ込んだところ、航路の途中で、先ほどの指示は取り消し、港外で待機するようにとの非情なVHF。 小型船舶輻輳する中央航路で22,000総トンの在来船で必死のその場回頭、港外で錨泊。かくして釜山は忘れえぬ港となった。
 この釜山で10月下旬に国際会議が開催された。会議の名称は“The 1st InternationalConference on On-Board training” で「第1回国際乗船実習会議」としておく。主催したのは韓国海洋大学であり、後援は釜山市及び韓国海洋水産省である。
 この国際会議の主催者は海洋大学のProf. Byeong-Deok Yea であった。

 しかし会議の主体はグローバル・オンボード・トレーニング・センター(GOBTC)である。このグローバル・オンボード・トレーニング・センターは2010年にマニラで開催された改正STCW 条約採択会議において創設文書署名式がIMO 事務局長の立ち合いのもとに行われ創設幹事である6 商船大学学長によって署名され、またこれらの大学が所在する5 ケ国(フィリッピン、中国、韓国、トルコ、ロシア)のIMO 代表団の団長も署名し、活動を始めたものである。これは言うまでもなく船舶職員養成に於けるオンボード・トレーニング(乗船実習)の機会増大に向けた活動を行う国際的組織である。なお、事務局長は山本恒氏が務めている。
 海技資格証書を取得するにあたって乗船実習の重要性は言を俟たないが、日本のように専用練習船を5 隻も保有するような国はともかく先進国といえども船員志望者が乗船実習の機会を得るのは簡単ではない。IFSMA の理事会でも船員養成の議論になるたびに乗船実習の機会を得るのが困難なことが指摘される。ましてや途上国においてはその困難さは相当なものである。
 このGOBTC については2013年11月8 日付で発出されたI M O のC i r c u l a r L e t t e r No.3412, “Global On-Board Training Initiative”にも書かれているが、要は主として途上国の船員志望者に乗船実習の機会の付与を促進しようというものである。

 会議に参加したのは韓国を始めとする創立メンバーに加え、パナマ、モザンビーク、インド、インドネシア、ポーランド、米国、タンザニア、ナイジェリアである。韓国からは海洋大学学長を始め、海洋水産省、釜山市、航海港湾学会、海洋大学同窓会、海洋水産学会、船主協会などから錚々たるメンバーが出席した。IMO の教育訓練担当の課長も出席した。バングラデシュは出席し講演も行う予定であったが、航空機に乗り遅れたとのことで欠席となった。また講演には多数の海洋大学の学生も聴講した。
 IFSMA 出席に関しては当初筆者にパネル参加の打診があったが、オンボード・トレーニングについて一家言あるわけでもなくましてや専門家であるわけでもないので、お断りしたが、主催者の要望もありIFSMA 理事会に話を繋いだ。理事会では会長代理でブレーメン工科大学の准教授であるCapt Wittig が教育訓練に関するセミナーであれば大学が旅費を支給するので参加してもよいが、韓国は不案内なので筆者にも参加するように求めた。釜山は冒頭に書いたように忘れえぬ港であるが、街を知っているわけでもなく、韓国に特段の知識もあるわけではないが、参加した次第である。

 

講演

 会議は第一日のプレゼンテーションとディスカッション、第2 日は海洋大学の学内施設や折から釜山で開催中の国際海事展「コアマリン2017」見学などのTechnical Tour であった。
 各国の講演についてはタイトルと講演者を列記し、内容にはごく簡単に触れる程度に止めたい。

 第一の講演者は米国運輸省海事局のD r .Shashi N.Kumar によるもので“The U.S.Model of Mariner Experiential Learning” というタイトルで主として米国の練習船及び乗船実習の実態を紹介した。

 米国には国立1 校(Kings Point)と州立6 校の商船大学があり、約1000名の学生が毎年卒業する。練習船は全部で9 隻あるが、殆どが貨物船を改装したもので多様な練習船に驚かされる。なお、Dr. Kumar はコンテナ船の船長として何度も釜山に入港したことがあるそうだ。

 続いては“Views on the Need for Regularization of the ITCP Education and Training Program” と題して韓国海洋水産省のMr. Sok-hun Kim によるものである。ここにいうITCP とはIMO のIntegrated TechnicalCooperation Programme を指す。

 次は“How to Get Optimal Correlation b e t w e e n T r a d i t i o n a l a n d M o d e r n Approaches in On-Board Training” と題するロシアのAdmiral Nevelskoy Maritime State University のCapt. Sergei M. Smirnovによるものである。ロシアは練習船が5 隻あり、そのうちの1 隻は帆船の“Nadezhda”で実習生定員は126名である。商船実習と練習船実習との比率はほぼ50:50とのことであった。

 午前中の最後は、“A Summarized Analyses of On-Board Training(OBT)Experience of ‘T/S Pirireis University’ giving emphasis to both positive and negative aspects over the last three years(2015-2017)” という長いタイトルで同大学の准教授のDr. Nazmi Cesmeci の講演である。この‘T/S Pirireis University’ はフェリーを改装したもので500名を超す居住区があるが、実習生は200名程度で、練習船として使用を始めてからの3 年間の乗船実習の詳細がプレゼンされた。タイトルの‘negative’ というのは専用練習船であることからcargo handlingが出来ないことをさしている。

 昼食後はバングラデシュの講演の予定であったところ、前述のような事情で欠席となったが、提出されたパワーポイントは“The importance of on-board training : Bangladesh perspective” というものでバングラデシュの海運や海事教育・訓練の状況が良くわかる。自国の保有船腹量が少ないため極めて優秀な実習生でも就職難で、またインドと違い知名度も低いため外国船には乗船の機会も非常に少ないようだ。

 主催者である韓国のProf. Yea のプレゼンは“On-Board Training in KMOU – History and Cooperation  ” である。KMOU はもちろん韓国海洋大学のことである。第二次世界大戦直後に発足した同大学の歴史から始まり、同大学の2 隻の練習船、“H A N N A R A”、“HANBADA” の詳細、カリキュラムなどの説明があった。結語の一つに国際社会への貢献として
 (1)途上国実習生への実習機会の提供、
 (2)GOBTC の活動の支援、
 (3)IMO 政策の支持、
とあったのが目新しく思われた。

 七番目の講演“Status of the Merchant Marine in Mozambique : Challenges and P e r s p e c t i v e” の講演者Ms . A n a Ma r i a Alfredo の肩書はDirector General, EscolaSuperior de Ciencias Nauticas, Republic ofMozambique となっている。モザンビークは国内に43部族がおり、言語の数は37だそうだが、公用語はポルトガル語である。講演に当たっては時折英語に詰まるとポルトガル語を母国語とするカリフォルニア州立大学の教授に助けを求めていたが、講演そのものは最も印象深いものであった。

 モザンビークの主要港湾であるロレンス・マルケスには筆者は東南アフリカ航路の若手航海士のころ何度か寄港したことがある。1975年のポルトガルからの独立後はマプトと名前を変え首都となったが、一等航海士として再び寄港する機会があり、そのあまりに変わり果てた港や街にショックを覚えた記憶がある。ポルトガル人が務めていたパイロットはソ連人に変わり、植民地時代にあった歓楽街は影を潜め、街には人影も少なく、店には商品は殆どない。道端でわずかな野菜や果物を並べて数軒の露店が立つぐらいである。
 独立後も本国に帰らず居残った代理店の白人は荷役の打合せが済むや否やいかに生活が困窮しているか、生活必需品が足りないか、薬品がないかを切々と語り始める。白人を追い払い、独立を果たしたもののお決まりの内戦とその後の混乱で旧植民地の近代的な国家建設が如何に困難か目の当たりにする思いであった。
 現在モザンビークの経済それ自体は豊かな天然資源を背景に将来性を見込んだ民間セクターの投資も活発で悪くないようであるが、その豊富な天然資源、とりわけ海底のガスを掘削し、輸送し、精製するインフラが全く未整備だとMs Alfredo は訥々と訴える。
 1987年に船員養成のためのNational MaritimeTraining Institution(ESCN)が創設されたが、予算も少ないなかで数々の困難に直面している。なかでも深刻なのは教師・インストラクターの不足で正式の資格を持った教師はパワーポイントで示された数字では一桁であり、にわかに信じられない数字だ。モザンビークはポルトガル語諸国共同体の加盟国であるのでポルトガルやブラジルの商船学校と交流もあり、支援も受けているが、乗船実習に関しては両国とも自国民に限るとしており、STCW 条約の要件を満たすのは極めて難しいとの説明であった。こうした国に対してこそGOBTC の活躍が望まれる。

 最後は“So, Who Wants to be Seafarers?”と題し、Nigeria のMr. Austin Ume Zurikeの講演であった。彼の講演は自動化船、自律船などの急激な技術の進歩と環境変化を踏まえてアフリカの船員養成システムが世界水準から取り残される恐れを滲ませたものだった。

 

パネルディスカッション

 パネルディスカッションはバングラデシュが欠席して講演に穴が開いたにもかかわらず、各プレゼンに対し熱心な質疑応答のために時間を取られ、十分な時間が確保できなかった。

そのためパネリスト各自のコメントのみで聴衆との質疑応答はもちろんパネルディスカッションそのものもなかったが、これまでのプレゼンや質疑応答を考慮に入れた各自のコメントは面白かった。
 IFSMA のCapt. Wittig のコメントは、彼の教え子であるブレーメン工科大学の学生が乗船実習のため、ドイツの商船に6 ケ月乗ったが、本船上では殆どの時間を錆打ちやペンキ塗りなどのメインテナンス作業で過ごし、時折航海当直に組み込まれることもあったが、あくまでデッキハンズ扱いで殆ど研修らしきものはなかった、という実習生の悲痛な報告である。要するに本船にはシラバスもカリキュラムもインストラクターもいないのである。これを以って単純に本船を責めるわけにはいかない。現今の商船の実態はこれほど余裕がなく、船長以下乗組員は日々の船務をこなすことに追われているのだ、と指摘した。また商船における乗船実習のガイドラインが不十分であることも挙げ、こうした面でのGOBTC の活動も期待していると述べた。身びいきではないが、Capt Wittig の発言がパネリストの中でもっともわかりやすくインパクトもあったと思う。

 

釜山宣言

 釜山宣言は第一目の審議を総括して採択する予定であったが、事務局草案につきさまざま意見が出たので、あらたに小さなドラフティング・グループを作り、深夜まで草案に手を入れ、翌朝、原案が配布された。そしてTechnical Tour の間にも参加者の非公式な意見の交換があり、採択はその夜の送別晩餐会の会場にまで持ち越されて、幾つかの小修正を経て採択された。
 なお、「第2 回国際乗船実習会議」はインドネシアで開催されることが合意された。
 宣言にはブルーエコノミーという言葉が出てくるが、これはブルーから連想される海事・海洋開発を軸として環境に配慮した持続可能な経済モデルかと思っていたが、そんな単純なものではないようだ。
 インターネットから関連事項を拾うと、ブルーエコノミーとは、自然生態系から着想された経済モデルであり、「成長の限界」を克服し、「ゼロ・エミッション」を実現する、すべての人々が待ち望んでいた理想的な21世紀の経済と環境のビジョンである。具体的な技術的イノベーションを見てみないと正確に理解できないが、ここではこのブルーエコノミーを海事・海洋事業に適用して、関連する海上輸送に関連する経済活動、そしてそれを担う人材に言及するものと考える。

 以下に釜山宣言(英文)とその和訳を掲げる。和訳は日本語の響きと判りやすさを心掛けた。
 この釜山宣言をガイドラインとしてオンボード・トレーニングの機会が広く与えられ高質な船舶職員の養成が加速されることを祈念している。

 

グローバル・オンボード・トレーニング・センター(GOBTC)
第1 回 国際乗船実習会議
大韓民国、釜山市
韓国海洋大学
2017年10月26日

釜 山 宣 言



前 文

世界的規模で海事・海洋分野の大変革が進行中である。

 人間活動の主要ベクトルは、従来の「垂直サイロ型」から「水平複数分野包括型」へと移行しつつある。この大変革は、海事・海洋産業のあらゆる分野における新しい技術・研究の進歩及びシステムの革新に対応しつつ勢いを増しつつある。

 新しい人材カテゴリーとして「ブルー・エコノミー専門家(海事・海洋プロ)」が、世界のブルー・エコノミーが具体的成果を伴う持続的開発に成功するための最重要要因として浮上しいる。この海事・海洋プロには、彼らの能力が海上輸送システムの変化に的確に対応していることが求められる。

 新たな挑戦は、海事・海洋業界で急速に現実のものとなっている多様に変化する人材需要に対応した海事・海洋プロ養成の最適な人材育成システムの構築である。それは、今、直ちに開始されるべき喫緊の課題である。

 乗船実習(オンボード・トレーニング= OBT)は、従来より海上職員資格付与のための必須要件である。従って、海事・海洋労働力供給国は以下の理由から乗船実習の管理・監督を維持することが不可欠である:
即ち、
(1)乗船実習は実習生慣海性体得の最適環境
(2)乗船実習は有能な海上職員必須の社会・文化的諸側面要件を理解する最適環境
(3)乗船実習は技能と理論的能力習得達成度評価の最適手段

 したがって、乗船実習は、すべての実習生/訓練生の海技資格適任証書賦与に際しての必須要件として今後とも引き続きその重要性が認められる必要がある。 本キャンペーンが所期の成果を挙げるかの成否は偏に、IMO メンバー間の世界的規模での協力の如何にかかっている。

 

The 1st International Conference on On-Board Training
Korea Maritime and Ocean University
Busan, The Republic of Korea
October 26, 2017

Busan Declaration

PREAMBLE

A global maritime paradigm shift is underway.

The main vector of human activities has been transitioning from the conventional “vertical silo” mode to the “horizontal system” . This transformation is gathering momentum, corresponding with new advances in research, technology, and innovations in most sectors of maritime and marine industries.

A new category of human resources, or blue economy professionals, is emerging as the most critical factor for successful sustained development of the global blue economy, whose expected caliber must keep pace with changes in the maritime transportation system.

The new challenge, i.e. the optimum capacity building system to generate the blue economy professionals has to meet the immediate needs of emerging changes in the maritime industry, must be addressed NOW.

On-Board Training(OBT)is an essential part in qualifying competent crew of the future. Hence, it is indispensable for a maritime Labor Supply State to maintain control and supervision because:

(1)OBT is the best environment for cadets to acquire sea adaptability,
(2)OBT is the best environment for inculcating socio-cultural aspects of successful seafaring professionals, and
(3)OBT is the best measure for the assessment of skill and competence acquisition.

OBT must, therefore, continue to be considered as indispensable for all the cadets/trainees for CoC/Credentials.
The successful accomplishment of this campaign is dependent on ongoing global collaboration among IMO Members.

 

公 約 声 明

 本会議参加者(添付リスト参照)はこの釜山宣言を採択する。これは海事・海洋プロの人材育成の必須要素である、最適な乗船実習システム実現に向けての世界的イニシアティヴ実行についての合意である。

大 綱:

 海洋開発事業や最新鋭船の建造、船舶の所有・運航、ターミナル運営、専用練習船で行われる質の高い乗船実習を含む海事大学/各種訓練センター所有・運営など、世界主要海事国の中でも有数のハード・ソフト両資源に恵まれた環境にある大韓民国が世界乗船実習プログラム即時実施の先導役を引き受ける。

1 .大韓民国は近い将来、GOBTC 事務局長室を釜山に招聘、「世界乗船実習船先導事業(Global OBT Initiative)」の本部として、その運営、管理、活動を一元的に統括する。釜山広域市、韓国海洋大学(KMOU)など韓国の関係者が協働してこの取り組みを支援する。

2.世界乗船実習船先導事業への参加は、三位一体で実施する。即ち、
a)主管庁(OBT 承認最終責任者)
b)産業界(エネルギー供給会社、海運会社等)
c)人材育成担当機関(総合大学および研究大学を含む海事教育訓練機関)

3.海事人材や専門知識を有した人材養成及び能力開発を緊急に必要としている新興エネルギー産出国参加を積極的に奨励する。

4.GOBTC と共有できるリソースを持つ現存海事大学への参加を要請する。具体例としては、カリフォルニア州立海事大学の海事・海洋安全保障分野での参画。

5.加盟国が、自国実習生への乗船実習機会確保・提供に関し一層の注力に向ける為の影響力行使をIMO に働きかける。

6.質の高い乗船実習機会を世界の次世代へも提供し、その実益の明示・共有を通じ、従来の海運部門での次世代に対する適当な乗船実習機会の提供を図ると共に、世界的規模での高品質乗船実習環境拡充と浸透を図る。

7.ブルー・エコノミーにおける次世代の海上輸送分野のための最適乗船実習システムの実現と、GOBTC 活動の成功が、次世代の所属する国々の教育者と実習生自身の双方に利益をもたらすと共に、それぞれの国の経済的発展に資すべく、他のすべての海事人材育成関係者への本活動への参加および協力を要請する。

 

STATEMENT OF COMMITMENT

Now, therefore, participants of this Conference(as attached list)hereby adopt this Busan Declaration. The endorsement to implement the global initiative to realize the optimum On Board Training System which is an indispensable element for capacity building for the maritime transportation sector of the blue economy professionals.

Framework:

In view of the concentration of all the critical resources in the transportation sector of the blue economy such as offshore engineering, construction of advanced tonnage, owning and operation of ships, terminal operations and the maritime universities/training centers including high quality on board training on dedicated training ships: among leading maritime countries the Republic of Korea stands out in leadership position for the immediate implementation of the Global On-Board Training Program.

1. The Republic of Korea hosts the office of the GOBTC Secretary General in due course as the headquarters of its activities for the administration, management and operation of the Global OnBoard Training initiative at Busan. Busan Metropolitan City, Korea Maritime and Ocean University(KMOU), and all other relevant stakeholders of Korea will jointly support this effort.

2. The participation to the Global OBT shall be on the tri-partite basis, i.e.
a)Administration as the ultimate responsible party for approval of On-Board Training
b)Industry(energy companies, shipping companies, etc.)
c)Capacity builders at maritime education and training providers, including general and research universities

3. The participation of the emerging energy economies, who are in urgent need of capacity building in maritime human resources and expertise, is positively encouraged.

4. The expertise of established maritime academies with resources to share for GOBTC is invited, for example, California State University Maritime Academy in the area of maritime security.

5. The opportunity to exercise influence on the IMO to make the contracting parties more committed to ensure OBT provision for the trainees brought into the system by them.

6. The other conventional shipping sectors, as appropriate, will be synergized so that the opportunities and merits of high quality On-Board Training opportunities will be offered to the next generation worldwide as extensively as possible.

7. All other maritime education stakeholders are invited to participate and work together, as appropriate, for the realization of the optimum On-Board Training System for the benefit of the next generation of the maritime transportation sector in the blue economy, as well as for the economic development of states from which the next generations come to make GOBTC campaigns productively successful and beneficial both for the country and for the educators and cadets themselves.

 

 

 


LastUpDate: 2024-Nov-19