第181回 東京都文京区立第六中学校

(一社)日本船長協会事務局   

東京都文京区立第六中学校

 

1.開催日時

 平成29年9 月9 日(土)09:30 ~ 10:35

2.学校紹介

 文京六中は文京区向丘の地に昭和22(1947)年に開校し、今年で70周年を迎えました。現在3 学年合計約330名の生徒が学んでいます。私が通学していた頃は3 階建ての校舎でした。放課後のクラブ活動では野球部とテニス部が一日交替で校庭を使用していました。数年前に校舎の全面改装を行い、7 階建て校舎には屋内プールも完備。地下鉄 東京メトロ南北線の東大前駅が学校のほぼ真下に位置する極めて交通の便に優れた学校です。

3.講演内容

 本年2 月頃「船長、母校へ帰る」の企画を母校に持ち掛けた処、副校長先生から賛同を得て、後日、学校行事「進路の日」における職業講話での講演を依頼されました。招かれた6 名のゲストティーチャー(弁護士、IT企業、学芸員、プロ野球スカウト、幼稚園園長)の一人として、船長の講演を希望した1年生15名と父兄を加え計22名に次のような話をしました。はじめに、六中在校時代の想い出、そして日本と海運については、海の大きさ等地理の話と貿易の話、「暮らしを支える日本の海運」のビデオ映像の一部上映、船の種類と大きさ、世界の港と航路などです。また、世界一周航海での体験、船員の仕事と生活、船員教育機関の紹介、最後に自分の歩んできた道(実習生時代、乗船した船、訪れた諸外国の写真)などの紹介をしました。

4.質疑応答

 生徒から多くの質問がありました。感想文に含まれるものの他、次の様な質問もありました。
 ①「船長になって一番嬉しかった事は何ですか?」
 ⇒初めて船長として約4 ヶ月半の乗船を終え、最後となる寄港地に無事係留作業を終えた時。無事に後任船長に引き継いで下船できた時が一番嬉しかったです。
 ②「一生忘れられないことは何ですか?」
  ⇒初めて乗船した船の出港時、自分の引いたエンジンテレグラフでプロペラが回転し巨大なコンテナ船がゆっくりと動き始めた時の感動
  ⇒三等航海士で乗船中、仕事のミスが続き、連日怒られて自信を失い落ち込んでいた時に、寄港地からヴェニスを訪れて目にした美しい光景に感動。外国を訪れたくて船乗りを目指した原点を思い出し、踏みとどまる事が出来ました。
  ⇒アデン湾での護衛艦とのエピソード
   荒れるインド洋で乗組員が怪我を負った。海賊対策で派遣中の海上自衛隊護衛艦「むらさめ」に無線で医療アドバイスを求めた処、同じ海で働く仲間が困っていると知るやいなや、迅速に行動を起こしてくれて艦載ヘリコプターが上空に飛来。さらに「むらさめ」も猛スピードでこちらに向かってきました。「すぐに助けに行くぞ! 頑張れ!」という励ましの声が聞こえてくる様で胸が熱くなりました。諸々の状況から結局医師派遣は要請しませんでしたが、あの時の光景を思い出すたびに涙が浮かんできます。

5.講演者雑感

 当日、教室の白板に貼られていた生徒手作りの歓迎ポスターに感動。生徒代表よりお礼の言葉をいただき、最後に可愛い後輩達と記念撮影。とても楽しい一日でした。尚、最近文京六中から鳥羽商船高専に進学した卒業生が居る事を知った。自分と同じ道を選んだ後輩にエールを贈りたい。


(日本船長協会 大類 健三郎 記)


講話を聞いての感想

生徒達の作文/

 


LastUpDate: 2024-Apr-24