第186回 福井県大飯郡おおい町立名田庄小学校・名田庄中学校

日本郵船 船長 堂脇 幸男   

福井県大飯郡おおい町立名田庄小学校・名田庄中学校

 

1.開催日時

 平成29年11月20日(月) 13:45~15:00

2.学校の紹介

 今回の講演は、おおい町名田庄公民館・図書館が企画・実施している「郷土の人」という事業での(大人向け)講演会への依頼をきっかけに、母校である名田庄中学校でも生徒たちに船や海の話を是非して欲しいとの話から始まりました。
 折しも、同校が「古里と関わりある人の生き方を聞き、生徒たちに夢を持つことの大切さを学んでもらう」“夢講演会” という企画を予定しているとのことで、子供たちへの広報活動を行っている日本船長協会に相談したところ、協力を得られることとなり、故郷名田庄の小・中学生を対象に講演する機会を与えてもらうこととなりました。
 本校は名田庄地区のほぼ中心部に位置し、二級河川南川に隣接し、南北を山に囲まれた自然豊かな環境にある、地区唯一の中学校です。生徒たちのほとんどが自転車通学で、ちょっと遠い生徒はスクールバスを利用しています。部活動が盛んで、生徒全員がいずれかのクラブに参加しています。テニスやソフトボールでは以前、福井県大会で優勝を果たしたこともあったようですが、近年の生徒数減少により、現在は、男子は野球部と卓球部、女子はテニス部と卓球部のみでの活動となってしまったそうで、少し残念な思いがします。
 また、幼稚園、小学校、そして中学校と各学年は一クラスしかなく、みんなが小さい時から勉強も遊びも一緒で、とても仲が良くファミリー的な校風で、その伝統は今も続いています。


3.講演内容

 中学校の全生徒(55名)と隣接する名田庄小学校の5 ・6 年生(43名)を対象に、鐘ヶ江常務理事(日本船長協会)と二人で約1 時間、パワーポイントや映像を交えながら、主に以下のような内容の話をしました。
① 日本と海の関係について(海の広さ、日本の特徴):鐘ヶ江
② 輸入に頼っているもの(食料品、生活用品、エネルギー資源など):鐘ヶ江
③ 船の種類:鐘ヶ江
④ 船乗りになったきっかけ:堂脇
⑤ 船の豆知識:堂脇
⑥ 世界の運河(スエズ運河、パナマ運河):堂脇
⑦ 船員の仕事や船内生活:堂脇
⑧ 掘削船「ちきゅう」の話:堂脇

4.講演者雑感

 小さい時から山に囲まれて育ち、まだ海や船のイメージが湧かない子供ばかりだろうと思い、どんな写真や映像を使い、如何に興味をもってもらうか、どのようにわかり易く話せばよいかなど、結構悩みながら、休暇中のみならず乗船中にも資料原稿を準備し、練習して挑んだ講演でした。
 海から離れたこの地で育ち、船には縁もゆかりもなかった自分が、どうして船乗りになったのかを自身の体験を交えながら説明し、船の中での仕事や生活、今乗っている掘削船のすごさなどの話をしましたが、純真無垢な彼らにどれだけ伝えることができたか、そして海の仕事に関心を持ってもらえたか、大いに気になるところではありました。
 生徒からの質問にもできる限り分かりやすく答えてあげたつもりですが、今はすべては分からなくても彼らが将来の進路を考えるとき、あの時に船長さんから船の話を聞いたんだということを思い出してもらい、一人でも海や船にかかわる世界に進んでくれる生徒が出てくることを願って、母校名田庄中学校をあとにしました。


(堂脇 幸男 記)


生徒達の感想文

生徒達の作文/

 


LastUpDate: 2024-Apr-17