第62回 山口県大島郡周防大島町立油田中学校

日本郵船(株) 船長 矢野 高徳

1.開催に至る経緯

2005年末から関西支店に陸上勤務してから、2年以上経過した2008年はじめ、

次の乗船が気になる頃、陸上勤務中にやり残したことはないか考えるうちに

日本船長協会主催の「船長、母校に帰る」の行事を思い出しました。月報「Captain」に

毎回掲載され、船長が出身校に帰り小中学生に海と船と海運を語る行事で、

これなら自分にもできそうだ思いました。また、幼い日々を過ごした小中学校や

故郷に何らかの「恩返し」をしたい気持ちもありました。そこで、日本船長協会と出身校の

山口県周防大島町油田中学校と連絡をとり、2008年9月26日母校で開催する

運びとなりました。

校舎正面風景 周辺地図
矢野船長講演 武繁校長先生挨拶
森本会長講演 講演を聞く生徒達

2.故郷の紹介

平成16年に大島町、久賀町、橘町、東和町の4町が合併し、「周防大島町」と

町名が変更となりました。瀬戸内海の南東に位置し、面積は淡路島、小豆島に次ぎ

瀬戸内海で3番目の大きさです。温暖な気候でみかんの島、オレンジアイランドとも

呼ばれています。明治から大正にかけてハワイへの移民が多く、カウアイ島と

姉妹都市を提携しており、「瀬戸内海のハワイ」として町中がアピールしています。

島の人口は約2万人。一方、少子・高齢化が進み、65歳以上の比率は50%近い。

過疎化で人口は減り続けており、今まで島内8校あった中学校も生徒数が足りない

理由で、来年4校に統合されます。現在の油田中学校の在校生総数は

3学年合わせてわずか「17名」であり、統合もやむ終えない状況です。

油田中学校の名前が残る、最後の年に講演できたのも何らかの縁があったと思います。

「船長母校に帰る」の行事で恐らく一番少ない生徒数でしょう。

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3.講演内容

講演内容は以下の通りです。

1)私の中学校時代

2)船乗りを目指した理由

3)日本郵船入社

4)航海士、船長の仕事

5)船員生活の楽しかった事、つらかった事

6)寄港地での想出

7)油田中学校在校生へ贈る言葉

自分がそうであったように、田舎で育った子供たちは外の世界を知らず、またどんな

職業があるのかも良く知らないもの。中学生にとって将来の職業を考える上で

世界中を回る船乗りというのは比較的子供たちには分かり易い職業かなと思う。

過去の「船長母校に帰る」の講演内容を読み返して見ると、夢を持つことの

大切さを語っていることが多いのですが、それをどのようにすれば達成できるのかを

自分の経験を交えて語りました。それは

1)夢を目標にすること

夢は見るだけで終わりかねない。夢は覚めるということもある。目標にするというのは

そうなりたいと思って具体的行動に移す事。夢を実現する有効な方法は、

方向性と計画性をもち、夢をいくつかの小さい目標に分け設定し、

その小さい目標を一つ一つクリアして行くことです。どの学校へ入学して、

どの会社に入るか。但し、目標を設定したら、必ず目標を達成してください。

そのためには強い意志の力が大切です。ここで皆さんに「克己」という言葉をりたいと

思います。

2)克己

「克己」己に克。自分の弱い心、怠けたいという心に克。誘惑に負けない強い気持ち。

楽をして身に付くものは何もありません。今やらなければならないことをやりぬくことです。

受験生であれば勉強、プロスポーツ選手を目指す人であれば日々の練習。

皆さんには「若さ」言葉を代えれば、「時間」という素晴らしい財産があります。

その時間を無駄に過ごさないように。夢は待っていれば向こうから自分のところに

歩いてくるのではなく、自分から夢に向かって一歩一歩でいいですから歩いて行く。

そして夢に向かって「挑戦」し自分の力で夢をつかんでください。

強い意志を持っていればかならず夢は実現できます。

生徒代表からのお礼の言葉 森本会長から校長先生へ記念品贈呈
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4.反省点と良かった点

当初、新聞等のマスコミには事前に連絡をしておらず、前日森本会長の方から、

「一生に一度のことだからできれば新聞記事に載せた方が良い」と言われ、

急遽何とか友達に手配してもらいました。当日中国新聞の方が取材に来て翌日の

朝刊に掲載されました。当初そこまで気が回らず、控え目な性格が災いしました。

話題になりますので、掲載記事を家族や知り合いに見せてはコメントをもらい

「良い社会貢献してますね」とか言われるとうれしく思います。また、生徒から

「こんな小さな地域からでも世界で活躍できるようになるなんてびっくりした。

いい刺激になった」というコメントもあり、子供達の心に小さいな「火」を点けたかもしれなく、

やって良かったなと思いました。

中国新聞

油田中学校生徒感想文

生徒達の作文///


LastUpDate: 2020-Aug-10