第195回 子供たち向け海事講演会(広島)

(一社)日本船長協会事務局   

子供たち向け海事講演会(広島)

 

1.開催日時

 平成30年7 月8 日(日) 13:10~14:00

2.紹介

 海洋会中国支部との共催で恒例となった子供たち向け海事講演会(第7 回)をボートパーク広島にて開催し、「船長、子供たちに海と船を語る」の講演を行いました。
 講演等の紹介に先立ち、平成30年7 月豪雨により亡くなられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。また、被災地における一刻も早い復興をお祈り申し上げます。
 海事講演会としては、昨年同様、船長講演、無料体験クルーズ、そして東京海洋大学海事普及会の学生によるロープワークと手旗信号の体験教室の3 つの企画をセットにして行う予定で進められましたが、大雨等による交通機関の寸断により、学生が参加できなくなったため、何とか広島入りすることのできた筆者と海洋会中国支部のメンバーのみによる実施となりました。
 当日の午前中まではかなり雨雲が残り、降り続いていたものの、講演を開始する昼過ぎには降ったり止んだりの小雨となり、予想通り天候も回復してきました。筆者の講演の後は、手旗信号はやめて、ロープワーク講習と体験クルーズを交互に行う形で進めたのですが、参加した児童とその保護者にも十分楽しんでもらえたようでした。
 なお、今回の体験クルーズは、6 m 級のプレジャーボート2 隻で約30分間ずつ計3 回に分けて、予定よりかなり短縮した周遊コースとなりました。豪雨の直後であったことから、マリーナや河口の浮遊物に気を付けながらの航行でしたが、操船者/ 説明者と参加者の距離が近く、解説などもよく聞くことが出来て好評だった模様です。


3. 講演内容

 講演はボートパーク広島の管理棟会議室で 行い、参加者は子供18名、保護者と合わせ34名でしたが、子供のほとんどが小学生だったので、興味を持ってもらえるように、クイズ形式での質問や、イラスト、映像を多用しつつ、わかりやすく説明するように心がけて以下のような内容の話をしました。
・日本の海と船による物資輸送の大切さ・船の大きさや速さ
・世界の港や、いろいろな航路(パナマ運河・スエズ運河)
・船員・船長の仕事や経験談、船員になるには

4.講演者雑感

 筆者は前日( 7 月7 日)に空路広島入りする予定としていたのですが、大雨によりフライトは朝からキャンセルとなり、山陽新幹線も始発から新大阪- 小倉駅間で運転を見合わせるという状況でした。広島側に連絡したところ、中止も考えられるが、市内においては、一部の在来線を除きバスや市電などの交通機関はほぼ平常で、また、参加予定者からの確認の電話でも不参加は少ないようなので、できる限り開催したいとの意向でした。とりあえず新大阪までは行けると判断し、見切り発車で午前中に新幹線に乗り込み、途中、6 時間以上足止めはされたものの、何とか前日中には広島にたどり着くことができました。
 講演では、子供も父母の方たちも、船の話やロープワークに興味を持ってくれていましたが、やはり体験クルーズが一番好評のようでした。
 通常であれば、それなりのスピードを出して広島港内を50分ほどクルーズするのですが、今回は大雨のあとの浮遊物、漂流物を懸念して、ゆっくりと、しかもボートパークからあまり離れずに元安川の河口のみの航走という短縮コースでの体験クルーズとなりましたが、それでも、子供たちには印象深かったようです。
 感想文等からもわかるように、やはり、海事普及活動を行っていく上では、実際のボートなどに乗船して体験、肌で潮風や船の振動などを体感させることが一番子供たちの心に残ってゆくのだろうと改めて感じました。今後も関係海事団体等と協力して、子供たちに海や船を身近に感じてもらえるように活動を続けてゆきたいと思います。


(常務理事 鐘ヶ江 淳一 記)


生徒達の感想文

生徒達の作文/

 


LastUpDate: 2024-Apr-24