元日本郵船㈱船長 大阪湾水先区水先人 花田 兵六 |
「船長、母校へ帰る」講演後の感想
和歌山市北部の紀三井寺のある名草山を後面に前面には古く万葉の時代からの名勝の地、和歌の浦を望む非常に風光明媚な地に存する市立明和中学校をほぼ50年ぶりに訪れました。
校舎は当時の面影はほとんどありませんでしたが、周囲の雰囲気は昔のままで大変懐かしく思い出されました。
校長先生から数日前に電話を頂き昼食を誘われていましたので、少し早目に学校を訪問したところ、制服を着て訪れたこともあったのでしょうが、出会った学生たちに快く挨拶されて、中々教育の行き届いた立派な中学校なんだなと、単純に感じました。又校舎入り口には、沢山の優勝カップが飾ってあり、県下有数の文武活発な中学校であるとの事でした。
校長先生ほか育友会の会長さんも船や海に興味が大きいとの事で、今回の講演に際し大変積極的で体育館に全校生徒及び関係者を集めての約750名の大人数の前での講演でした。小心者の私としては大変緊張してしまいました。
森本会長がさすがに堂々と講演していただき、その後の私でしたので、なんとか無事、話を終える事ができました。
又私の中学校一年の担任の先生と当時の同級生、約10名も応援に駆けつけて下さったのも、有難いことでした。
この地は昔から半農半漁の地で、西は海に面しており素晴らしい夕日が海に沈み、遠く海への憧れを誘う地であると思われるのですが、中学校創立以来ほぼ60年になりますが、外国航路の船長は恐らく私だけではないかと思われます。
日本は周囲が海に囲まれた海洋立国なのだから、積極的に海への関心を持って貰いたい、海での仕事は辛い事も多いが、ロマンに満ちた、非常にやりがいのある仕事である、と、熱弁したのですが、皆さん熱心に聞いて頂いたので、少し解ってもらえた気がしました。