第65回 香川県坂出市立坂出中学校

(社)全日本船舶職員協会 専務理事 角田 稔

「船長、母校へ帰る」講演後の感想

昨年の夏に船長協会から、母校の坂出中学にて、「船長母校へ帰る」の講演依頼があり、私でよければと簡単に引受けたものの、何を話して良いものやら迷ってしまった。
私の故郷坂出は、瀬戸大橋の四国側の基点であり、今や番の洲工業地帯として多くの外航大型タンカーや大型石炭船が入港し、川崎造船㈱では大型LNG船、VLCC等が建造されているが、私が中学時代を過ごした頃は、純朴な田舎町で塩田の町として有名でした。
当時の母校は統合され、場所を移して立派な建物になっており、私は帰郷する度に近くまでは行きますが、訪問した事は無く、正に「船長母校へ帰る」となってしまいました。
初めて訪問する母校は、昔は鎌田池といわれた溜池を、埋め立てた後に建てられており、敷地も広く建物も立派で、在校する生徒達からも明るく挨拶して頂き、きびきびした動作で非常に頼もしく、先生達の指導の賜と感心しました。

坂出中学校 角田船長の講演
山田校長先生の挨拶 森本会長の講演
講演を聞く生徒達 講演風景

校長先生の話では、今回の講演会への参加生徒は1年生、2年生合計320名、2年生は社会経験のため、各種職場を訪問インターンをする時期を迎えており、船長という職業を知ってもらうのに非常に良いタイミングであるとのことでした。


講演内容は色々悩みましたが、自分の経験を基に、話を進めて行く事にして
① 中学時代の思い出と、商船高校卒業までを、練習帆船「日本丸」での経験を中心に、繰帆中のお互いの協力の大切さ、自分の身の守り方、所謂「片手は船主のため、片手は自分のため」、仲間との信頼関係の構築や、友達作りの重要性等について話をしてきました。
② 出会いと別れに付き、海上勤務時代の各港での人々との出会いと別れを、コンテナー船の船長時代を中心に話をし、外国人と付き合う時のコミニュケーション手段としての英会話の重要性、国情の違い等にも触れてみました。
また、海、船が好きな生徒がいたら、是非船長を目指すように、船長職の魅力や面白さも語っておきました。
③ 平和の海、平和の大切さを、日本の置かれている状況(エネルギーや食料自給率等)を参考にしながら、海上輸送が途絶えたらどうなるかを、船長として経験したイラン・イラク戦争の話を例に取りながら話してきました。

生徒からの記念品 生徒代表からお礼の言葉
生徒達の坂中ソーランによる歓送 船長協会から学校へ記念品贈呈

最後に生徒達が、校内行事の時に踊っている「坂中ソーラン」で歓送してくれ、立派な振り付けと、良く揃った踊りに感激して帰って来ました。
3年生は高校進学を控え、今は2年生が中心に行っているとのこと、随分練習されているのだろうと考えました。


20年振りに着用した船長の制服は、懐かしく昔を思い出し、一時感慨に耽りましたが、出来得れば、現役船長時代に講演が出来ていればと思います。
企画して頂いた、四国運輸局の担当者の方々、船長協会の森本会長初め関係者の皆様に、厚くお礼を申し上げると共に、母校坂出中学の益々のご発展を祈っております。

香川県坂出市立坂出中学校

生徒達の作文////


LastUpDate: 2020-Aug-10