IFSMA便りNO.1

(社)日本船長協会事務局

 

日本船長協会は国際船長協会連盟(International Federation of Shipmasters’Associations, IFSMA)へ5年ぶりに再加入することが、本年5月21日にドイツ、ブレーメンで開催された同連盟の総会の席上、全会一致で承認されました。
1974年に創立されたIFSMAのスローガンは「Unity for Safety at Sea(海上の安全のための団結を)」です。
具体的には海難事故に対して世界の船長が一致団結して船舶運行技術の向上を図り、もって海上安全の確立と海洋環境の保護等、あわせて船長の社会的な地位向上を目指すとしています。
また、IFSMAの活動で特筆に値するのは、IFSMAはIMO及びILOの建議機関でもあり、特にIMO審議においては「船長の肉声」が重要な役割を占めていると思われることです。
このことはIFSMAが異例の速さ(創立の翌年)でIMO諮問機関として認められていることなどから推察されます。
さて、今回の再加入を受け、早速、国際船長協会連盟から「STCW条約に関連して天測修得の要否に関する問い合わせ」が寄せられ、当協会は現職の船長、航海士を含む有識者(教育機関、海運会社)にアンケート調査を実施しました。
調査結果は「現状のまま強制要件として残す」とする回答が多数を占めています。
このアンケート調査結果を踏まえ、日本船長協会から国際船長協会連盟に対し、「現状のまま、強制要件として残す」と回答しています。
なお、当該アンケート調査について記載しています。

 
参考:「STCW条約に関連して天測修得の要否」審議の背景及び各国の反応について。
(参照文献:IMO第39回訓練当直基準小委員会報告書…(財)海技振興センター編 平成20年3月)

平成20年3月に開催されたIMO第39回訓練当直基準小委員会(STW39)のWGでの検討の場で、ノルウェーより「現行のSOLAS条約においては、六分儀の積載は強制要件となっていない。
実際、殆ど全ての船舶は衛星航法または電波航法のいずれかによって航行している(ノルウェー船長協会のアンケート調査では、毎日天体観測による船位測定は3%強で78%は全く天文航 法は用いないという)。
しかしながら、STCW条約第2章中の能力基準表A-2-1及びA-2-2においては、天文航法の知識・技能及び六分儀の使用が盛り込まれたままとなっている。
そのため、STW38において技術的進展に伴い時代遅れの内容となった規定を見直す旨が合意されたことに基づき、『コードA-2-1及びA-2-2について、天文航法に関する規定の削除』が提案」されたことによる。
これに対する日本を含む各国のコメントは、「現時点においては天文航法に代わる十分な航法が確立されていない以上、天文航法を削除することは安全運行の阻害に繋がる。
GPSのみに頼るのは危険」とする意見が多数であった。
議論の結果、次回の中間会合(2008年9月8日~12日開催)において審議されることとなり、これに関連して国際船長協会連盟から当協会に諮問されたものである。


LastUpDate: 2021-Jun-23